インスー・キム・バーグ,スコット・D・ミラー著/斎藤学監訳/白木孝二・田中ひな子・信田さよ子訳
飲酒問題とその解決
ソリューション・フォーカスト・アプローチ
A5判 330頁 定価(本体5,800円+税) 1995年6月刊
ISBN978-4-7724-0484-6
すべてのクライエントは彼らの問題を解決するのに必要なリソース(資源)と強さを持っており,自分たちにとって何が良いことかをよく知っていて,彼らなりに精一杯やっているのだ――。
このような信念に基づいて,著者らは,クライエントの既にある「健康なパターン」を強調し,彼らの能力やユニークな背景を有効利用しながらポジティブな将来のイメージに導き,現実的で達成可能なゴールを共に確認し,それぞれのクライエントに固有の「飲酒という問題」の解決にむけて共同作業を進めて行く。
本書で示されるこの一見シンプルな技法は,疾患モデルにそった伝統的な長期にわたる病院治療や,12ステップの原則に基づく治療プログラムに代わるアルコール臨床の可能性を提示するものである。
本書は実用的でステップ・バイ・ステップ形式のハウツーを中心に書かれた,ソリューション・フォーカスト・アプローチの実践マニュアルであり,更に巻頭の斎藤論文により,わが国のアルコール臨床における位置づけが明確に示されている。
おもな目次
アルコール・薬物依存症の臨床現場から見たソリューション・フォーカスト・アプローチ:斎藤学
序章 しらふになることのジレンマ
第1章 原則と前提
第2章 協力的なクライエント−セラピスト関係の展開
第3章 「ウェル・フォームド」治療ゴール
第4章 話し合い