レノア・E・ウォーカー著
斎藤 学監訳
穂積由利子訳

バタードウーマン
虐待される妻たち

四六判/256頁/定価(本体2,800円+税) 1997年1月刊


ISBN978-4-7724-0533-1

 繰り返される配偶者からの身体的,精神的な暴力に,彼女たちはなぜ耐えるのか,そしてなぜ愛し続けてしまうのか――
 家庭とは,外界の圧力から守ってくれる安全地帯であって欲しいという思いから,われわれは家庭内に暴力が存在すること自体に目を塞いできた。ことに夫婦間暴力は,暴力的配偶者(バタラー)と被虐待女性(バタードウーマン)の親密な共依存関係の中に深く隠蔽され,いまだ名付けられることなく,われわれの社会にも密かに根をおろしている。
 本書に登場するのは,愛を託した男性に殴打され,罵言を浴びせられ,自尊心を剥ぎ取られた,40名に及ぶバタードウーマンたちである。
 家庭内における女性虐待研究の先駆者であるウォーカー博士は,詳細なインタビューによって,その生々しい呻き声を伝えている。さらに,暴力サイクル説と学習性無力感の概念によって,このような虐待関係を維持してしまうバタードウーマンの心理を明解にし,彼女たちがバタラーの支配から脱出した先に見える「新しい明日」を描いている。

主な目次

    ウォーカー博士について:斎藤 学
    プロローグ アンの話

■第1部 バタードウーマンの心理

    第1章 神話と現実
    第2章 学習性無力感の精神社会理論
    第3章 暴力のサイクル理論

■第2部 虐待関係における威圧的手法

    第4章 身体的虐待
    第5章 性的虐待
    第6章 経済的虐
    第7章 家族の不和
    第8章 社会的虐待

■第3部 出口

    第9章 セイフハウス(避難所)
    第10章 法機関および医療機関による対処方法
    第11章 心理療法
    第12章 新しい明日

    おわりに:斎藤学