S・E・ハイマン,E・J・ネスラー 著/融 道男・渋谷治男監訳

精神医学の分子生物学

A5判/290頁/定価(本体5,200円+税) 1997年5月刊


ISBN978-4-7724-0544-7

 ハーバード大学のハイマンとエール大学のネスラーによる本書は,近年アメリカにおいて刊行された精神医学書の中でも最も衝撃を与えた本とされている。このたび最良の訳者を得て待望の邦訳が完成した。生物学的精神医学研究の最適の入門書である。
「本書には今までにない斬新な一面がある。精神医学の神経生物学などというのが,これまで精神現象や精神障害の生物学的基礎の概説書の表題であった。分子生物学の発展は,脳を今までのように,内分泌・薬理学的モデルの文脈で理解することからの脱却を可能にしてきた。著者らのいう脳を内分泌器官のように考えるアプローチというのは,脳を恒常状態や薬物で刺激した状態で,神経伝達物質代謝や神経伝達物質受容体を測定する方法を指し,これはわれわれを含め脳を神経化学や神経薬理学的に研究する者の常套手段であった。著者らは,脳の複雑なネットワークや,ニューロン内部で起こる細胞のシグナリングなどを無視した今までのやり方は,新しい方法で置き換えられるべきであると主張している。したがって,『本書の最も重要な目標は,精神医学に関連があるという理由で,現代的な細胞神経科学と分子生物学の紹介を提供することである。』」(訳者あとがきより)

おもな目次

    日本語版への序 S・E・ハイマン
    序 説
    第1章 分子生物学入門
    第2章 シナプス性神経伝達の概要
    第3章 神経精神薬理学の概観
    第4章 神経の可塑性機構
    第5章 薬物が引き起こすニューロンの可塑性:向精神薬はどのように働くか
    第6章 精神疾患の遺伝学:展望
    第7章 新しい精神医学的神経科学に向けて