中根 晃・市川宏伸・内山登紀夫編

自閉症治療スペクトラム
臨床家のためのガイドライン

A5判/240頁/定価(本体3,800円+税) 1997年10月刊


ISBN978-4-7724-0557-7

 自閉症は,生涯長期にわたって持続する障害である。治療的観点からは,各年代で起こりうる不利益を最小限にするためのケアが,そして,クライエントに対する各世代間での連続した治療目標と実際的なプログラムが必要である。本書は,自閉症に関わる臨床家のために具体的対応のためのガイドラインを提示する。
 各項目は,日常臨床のごくありふれた治療課題について,主観に走らず,たえず「自閉症とはどのような障害か」という根本的な問いを念頭に述べられたものである。また大きな特徴として,生物学的視点を大幅に取り入れ,中枢神経機能への精神薬理学的治療や,知覚の病理まで論及し,後半部ではショプラーの治療活動の最新報告や,PSW活動の実際をも紹介している。特定の理論を越えた立場から,自閉症の新しい治療学を模索する試み。

おもな目次

    第Ⅰ部 幼児期・学童期の自閉症

      1.自閉症の早期診断…清水康夫
      2.幼児期自閉症の精神病理と治療…中根晃
      3.自閉性障害の早期治療…田上洋子・真木みどり
      4.自閉症の治療教育:TEACCHプログラムを中心に…内山登紀夫
      5.臨床心理からみた幼児期の自閉症…望月政江
      6.発達援助をめざした薬物療法…市川宏伸

    第Ⅱ部 青年期の自閉症

      1.青年期・成人期自閉症の精神病理と治療…中根晃
      2.自閉症の入院治療…広沢郁子
      3.行動異常の薬物療法…高見沢ミサ
      4.青年期にみられる知覚変容現象とその治療的意味…小林隆児
      5.行動論からみた自閉症治療…中根晃
      6.自閉症と地域活動…藤村出

    第Ⅲ部 自閉症をめぐるトピックス

      1.自閉症のtime slip現象と自閉症療育におけるその意義…杉山登志郎
      2.思春期における行動異常の成り立ち…山田佐登留
      3.自閉症とPSW活動…梅林紀子・川田史子
      4.アメリカにおける自閉症療育の問題点…内山登紀夫
      5.自閉症の神経生物学的背景…佐藤泰三