松木邦裕著

摂食障害の治療技法
対象関係論からのアプローチ

A5判/230頁/定価(本体3,500円+税) 1997年11月刊


ISBN978-4-7724-0560-7

 摂食障害は,パーソナリティの病理であり,患者を治療するためには,そのナルシシズム的な自己愛世界の病理を鍵概念として理解する必要がある。本書は長年,重症の摂食障害患者に接してきた著者による,摂食障害患者との乱闘の記録であり,また,摂食障害の心理療法において,著者自身がその理論と技法を深化・強化してゆく治療過程の記録でもある。
 第Ⅰ部では,個人病理の理解のための基盤としてクライン派精神分析による病理の理解と解釈を解説,実際の臨床に応用してゆく手だてが述べられる。さらに第Ⅱ部では,より具体的な心理治療とその枠組みが示されている。逆転移の解釈やパーソナリティの分割,抑うつ不安にも焦点を当て,重症の患者へアプローチするための新しい介入技法が展開されている。
 精神科医,心療内科医,臨床心理士,病院看護スタッフをはじめ,「食の病い」に関わるすべての臨床家に多くの臨床的知見を提供する格好の手引き書となろう。

おもな目次

    序論:摂食障害治療私史

    第Ⅰ部 摂食障害を理解するために

      1.摂食障害の自己愛世界
      2.ナルシシズムの様態:自己愛から自己愛対象関係へ
      3.パーソナリティの病理:臨床例
      4.あるファンタジーの病理性をめぐって
      5.両親の環境としての機能と対象としての機能
      6.ジェンダー・アイデンティティと摂食障害

    第Ⅱ部 治療技法の展開:対象関係論的アプローチ

      7.逆転移
      8.過食状態への心理療法的アプローチ
      9.心理療法例:対象の内在化過程
      10.パーソナリティ発達の病理とその治療展開
      11.治療セッティングとしての閉鎖病棟
      12.『自発入院−閉鎖病棟セッティング』での入院治療
      13.開放病棟での治療