石坂好樹著

精神療法の基礎学序説
こころの病とその治療の構造的解明にむけて

A5判/174頁/定価(本体3,400円+税) 1998年1月刊


ISBN978-4-7724-0569-0

 精神療法には,精神分析療法,行動療法をはじめとして数多くの流派がある。しかし各流派が客観的評価判定をすることなしに,こぞって自らの有効性を力説しているのは,奇妙なことである。
 精神療法とはそもそも何なのか。それは心のどこに,どのように作用し,奏効するのだろうか。本書は,このような根源的な問いかけを通して,精神療法の各流派に共通する要素とそれぞれの個別的要素を精緻に考察し,精神療法の基礎を築かんとする壮大な試みに挑んでいる。
 著者はまず精神神経疾患を「意識の病い」と捉え,その意識構造に変化をもたらす行為に精神療法の本質をみようとする。さらにフロイトの「超自我−自我−エス」の三層構造に対して,下層の「身体意識」から上層の「メタ表象意識」にいたる五層の心的構造を提唱し,膨大な文献と自身の実践経験を照合しながら,技法論から効果論,過程論,終結論へと説きすすめていく。
 その独創的,画期的で啓発的な論理展開は,読者に多くの示唆を与えずには置かないものである。

おもな目次

      序 松本雅彦

    第1章 起説論

    第2章 精神療法定義論

    第3章 精神療法領域論

      意識の構造化について
      意識構造の動的過程
      精神療法学からみた病的意識の構造論

    第4章 精神療法技法論

      はじめに
      精神分析療法
      行動療法
      認知療法
      森田療法
      内観療法
      非言語的精神療法

    第5章 精神療法効果論

    第6章 精神療法過程論

      はじめに
      治療過程起点論
      治療過程継起論
      治療転機論
      治療関係現象論
      治療終結論

    第7章 資質論

    第8章 結語論