生島 浩・村松 励編

非行臨床の実践


A5判/220頁/定価(本体3,200円+税) 1998年2月刊


ISBN978-4-7724-0572-0

 少年非行は常に時代を写す鏡であるが,専門機関による関わりも非公開のため,その実態が正確に伝えられることは難しい。
 本書は,非行からの立ち直りの道筋と手だてに関して,臨床家の立場から理論化を図り,治療構造とアプローチの実際について詳述したものである。執筆には警察署,家庭裁判所,少年鑑別所,児童相談所,教護院,保護観察所,少年院,少年刑務所において,非行問題と現実に日夜格闘している中堅の実務家があたり,薬物乱用や境界例など現代的な非行の実例を呈示しつつ,実際の処遇・面接技法とその臨床的有用性や限界・問題点に触れた。
 非行臨床家のみならず,青年期の心理臨床に携わる者やスクールカウンセラーのために編まれた,非行臨床最前線からの報告である。

主な目次

      概説:少年非行問題の現在――序にかえて 生島 浩

    第Ⅰ部 非行臨床の実践

      非行臨床の課題 村松 励
      非行臨床における心理的援助の方法 生島 浩
      非行臨床におけるわれわれの理解枠 中村伸一・中村紀子

    第Ⅱ部 非行の調査・診断・初期介入:非行の発見から処分まで

      非行初期段階での治療的援助 井口由美子
      家庭裁判所における非行臨床:システム論の観点から 廣井亮一
      精神分析的アプローチ:自己心理学の視点からの非行理解と援助 須藤 明
      心理テストにおける診断と援助:少年鑑別所における短期面接の立場から 藤掛 明

    第Ⅲ部 処遇機関のアプローチの実際

      クライエント中心療法 羽間京子
      保護観察における短期処遇及び認知行動療法の技法の活用 西瀬戸伸子
      児童相談所における家族療法の活用 早樫一男
      教護院における生活教育的アプローチ:生活場面面接による問題解決学習 相澤 仁
      女子非行に対する施設処遇 渡辺俊子
      医療少年院における「境界例」少年の治療・矯正について 細水令子・西口芳伯
      少年刑務所における薬物乱用者の集団心理療法 藤岡淳子

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