成田善弘著

精神療法の技法論


A5判/280頁/定価(本体4,200円+税) 1999年1月刊


ISBN978-4-7724-0600-0

 精神療法的面接の特徴は,患者の身体や行動の客観的観察や説明といった自然科学的方法に加えて,共感や了解,そして関与が必要となることである……。本書には,著者の経験にもとづいた精神療法家の基本的な態度や技法についての臨床論文が収められている。そのいずれもが治療論と重なり合った独自の臨床精神病理学を基盤にした実践的なものである。今回,とくに心身症,境界例,強迫に関して詳細な事例検討を含んだ論考と家庭内暴力の臨床に関する研究を収録した。そこには平易な文章の中に日常臨床に役立つ多くの知見がちりばめられている。
 著者は,身体症状をもつ患者への精神療法の特有の困難さにも着目する。そうした患者にどのように対処するか,面接を支える外的条件や技術的な留意点,治療構造の設定,身体の持つ意味についてわかりやすく述べる。本書における各論は,精神科に限らず心理治療全般について言えることである。精神療法家の仕事とは何か,を説いた実践的な臨床書といえよう。

おもな目次

    Ⅰ 精神療法の技法

      精神療法的面接について
      治療者の気持とその変遷をめぐって
      精神分析的ブリーフ・サイコセラピーの実践
      リエゾン精神医学と精神療法

    Ⅱ 強迫・境界例・心身症

      強迫症者の世界
      強迫障害と抑うつ障害
      境界例と強迫
      境界例と思われる少女とその家族
      心身症の症例研究
      心身症者の身体の非自己化について
      家庭内暴力の臨床

    Ⅲ 書 評