E・ジェンドリン,池見 陽著/池見 陽,村瀬孝雄訳

セラピープロセスの小さな一歩
フォーカシングからの人間理解


A5判/250頁/定価(本体3,600円+税) 1999年3月刊

ISBN978-4-7724-0608-6

 「フォーカシング」における,クライエントの中に起こっている小さな変化の質に注目し,そこに互いにやさしくていねいに寄り添う相互作用のあり方は,ジェンドリンの哲学者としての深い人間洞察から生まれた。しかし「フォーカシング」の心理療法と自己理解の技法的側面に比べて,その哲学的・理論的な基盤に光が当てられることは少なかった。
 本書はわが国へのフォーカシング導入の歴史的一歩とも言うべき「人格変化の一理論」をはじめ,これまで難解とされ,なかなか目にすることができなかったジェンドリンの哲学者・思想家としての姿を描き出す貴重な著作が収録されている。そしてそれらの原著に対して,心理療法家としてのジェンドリンの姿を浮きぼりにしながら,本来の治療者としての人間理解に向けての新たな転換を迫る意欲的な池見の論考を対置させることによって,その全貌をよりわかりやすく親しみやすい形で紹介した。
 こうした本書は,技法の背景に埋もがちであったフォーカシングの理論的背景に光を当てた貴重な文献であり,治療者ジェンドリンの「人間論」そのものでもある。

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