ユージン・T・ジェンドリン著
村瀬孝雄・池見 陽・日笠摩子監訳
日笠摩子・田村隆一・村里忠之・伊藤義美訳

フォーカシング指向心理療法(下)
心理療法の統合のために


A5判/260頁/定価(本体3,800円+税) 1999年5月刊


ISBN978-4-7724-0613-0

 治療者側のどんな理論や解釈よりも,クライエントの中で起きている体験過程を一番確かな現実として何よりも大切にするフォーカシングでは,クライエント自身の主体性の尊重こそが面接の基本に据えられるべきものとして最優先される。
 創始者ジェンドリンは臨床場面でどのようにフォーカシングを使っているのかを詳細に描いた上巻に続き,下巻では,さまざまな心理療法に通底しそれらを統合する要めとしての「フォーカシング」のあり方を探るものとなっている。
 ロールプレイ,夢,イメージ,行動,認知など,面接場面で使われるさまざまな技法が,その理論的背景にとらわれることなく,クライエント自身の体験過程に通じる「道筋」として整理され展望されている。
 クライエントと彼のフェルトセンスの相互作用から体験的一歩が生じ,その体験的一歩こそが治療を飛躍的に進めていく。それらを生み出す支えとしてのセラピストとクライエントの相互作用のあり方を探る本書は,心理療法におけるフォーカシングの確かな位置づけを示すものとなっている。

おもな目次

    刊行に寄せて:村山正治
    第11章 心理臨床の統合的視点
    第12章 からだへの取り組み――新しく解放されるエネルギー――
    第13章 ロールプレイ
    第14章 体験的な夢解釈
    第15章 イメージ
    第16章 情動的カタルシス,再体験
    第17章 行動ステップ
    第18章 認知療法
    第19章 超自我を体験過程的にとらえる
    第20章 生を前進させる方向
    第21章 価値観
    第22章 生命体は自らを満たす
    第23章 クライエントとセラピストの関係
    第24章 それを「セラピー」と呼ぶべきかどうか