吉川 悟編

システム論から見た学校臨床


A5判 280頁 定価(本体3,600円+税) 1999年9月刊


ISBN978-4-7724-0624-6

 本書は,問題を構造的に捉えるシステム論を「学校」における臨床場面に役立てようと,システム論的アプローチでスクールカウンセリングを実践している執筆者によって書かれたものである。
 学校システムには教職員,養護教諭,保護者,同級生,上級生,下級生とさまざまなかかわりが複雑に発生しているので,スクールカウンセリングは「児童・生徒−カウンセラー」という枠組みだけではとらえ切れない。よって,システムをどれだけ有効に使い,かかわりをどう利用し,いかにコンサルティングするかが,解決を促すポイントになる。本書では,システム論的な考え方の初歩から実際までをわかりやすく詳細に記し,幼稚園から高校までの,不登校,いじめ,非行,学級崩壊など事例をも掲載している。システム論的な見方を知れば,カウンセラーとしての技量は一段と向上すことだろう。
 スク ールカウンセラーはもとより,教育相談担当,教職員,養護教諭などにも必携の書である。

おもな目次

      はじめに:吉川 悟

    第Ⅰ部 学校へのジョイニング

          編者のメモ(1)
      第1章 システム理論の概論:高橋規子
      第2章 学校とかかわるためのシステム理論――システムとの関係形成としてのジョイニング──:吉川 悟
      第3章 コンサルテーション:金丸慣美
      第4章 相談構造について考える──「本格的であること」と「本格的でないこと」の本当の違い──:坂本真佐哉
      第5章 問題への認識の差異から生じる対立的構図への対応:坂本真佐哉
      第6章 「集団の問題」の捉え方とコンサルテーションのあり方:吉川 悟

    第Ⅱ部 症例編――年齢別にみた方法論と学校臨床の留意点――

          編者のメモ(2)
      第1章 幼稚園での事例:吉川理恵子
      第2章 小学校低学年での事例:阪 幸江
      第3章 小学校高学年での事例:大河原美以
      第4章 中学校での事例:和田憲明
      第5章 高校での事例:村上雅彦
      第6章 外部関係機関との連携:黒沢幸子・森 俊夫
      第7章 学校臨床であつかうべきでない事例:加来洋一
      第8章 学校の対応に不満を持ち,関係機関を巻き込んで学校批判を行っている事例について:高橋 哲

    第Ⅲ部 システムズアプローチを利用した効果的なコンサルテーション

          編者のメモ(3)
      第1章 システムズ・コンサルテーションの概論:吉川 悟
      第2章 システムズ・コンサルテーションの学校臨床での利用:吉川 悟
      第3章 学校批判を繰り返し,相談が成立しづらい事例:吉川 悟
      第4章 積極的に働きかけても,変化の起こらない事例:和田憲明
      第5章 無気力で解決への指向性を持たない事例――教師同席のシステムズコンサルテーション――:衣斐哲臣
      第6章 学級崩壊など集団の問題へのシステムズ・コンサルテーション:吉川 悟・阪 幸江