クロエ・マダネス著/佐藤悦子訳

戦略的セラピーの技法
マダネスのスーパービジョン事例集

A5判/190頁/定価(本体3,200円+税) 2000年5月刊


ISBN978-4-7724-0651-2

 戦略的セラピーは,ミルトン・エリクソンの戦略的療法から派生,発展した治療的アプローチである。本書の著者マダネスは,ワシントンD.C.にある家族療法研究所に属し,夫,J・ヘイリーとともにこの戦略的アプローチを実践している中心的人物である。本書は,マダネスの主要著作三部作の第二作目に当たり,彼女がスーパーバイザーとしてかかわった多彩な30の事例が引用され,女性家族療法家の第一人者と見なされている彼女の理論と実践の全貌がわかりやすく述べられている。
 現代日本のさまざまな家族問題が暴力性に彩られている今日,癒しの原動力としての家族愛に信頼を置くマダネスの治療技法は多くの心理療法家をエンパワーしてくれるであろう。

おもな目次

    第1章 関係を理解し変化させる

      家族における隠喩
      事前の計画
      階層性
      事例1:看護婦の振りをする
      自殺企図のある姉妹たち

    第2章 葛藤の源を発見する

      契約の再交渉
      階層性と勢力
      事例1:生活破壊者
      若愛夫婦の性的問題

    第3章 子どもを通して成人に影響を与える

      変化の発動者としての子ども
      階層の転換
      結婚に傷ついている父親の場合
      母親を世話する少年
      笑顔を見せない母親

    第4章 ユーモアを用いる

      ことば
      動作
      セラピスト

    第5章 正しい戦略を選ぶ

      自発的VS非自発的行動
      無力感VS勢力
      階層VS平等
      敵意VS愛
      私的な余得VS公的な正義感
      暗喩的連鎖VS文字通りの連鎖
      自由VS依存
      変化への抵抗VS変化へのコミットメント
      セラピストにおける強さVS弱さ
      戦略1:主訴または主訴の象徴的表示の処方を親に頼むこと
      戦略2:症状もどきを処方する
      戦略3:症状の機能もどきを処方する
      戦略4:家族階層の転換を処方する
      戦略5:逆説的契約
      戦略6:誰が主訴を訴えるか
      戦略7:文脈を微調整した上での主訴の処方
      戦略8:逆説的苦行
      戦略9:選択肢なしとの幻想
      戦略10:ひとりぼっち幻想