松木邦裕著

精神科臨床での日常的冒険
限られた風景の中で

四六判 208頁 定価(本体2,200円+税) 2001年3月刊


ISBN978-4-7724-0685-7

 本書は,精神分析で高名な著者が日常の臨床を飾りなくつづったものである。
 精神科臨床でのドラマチックと言えそうな体験は,ひとつの舞台のように見えたり,華やかな彩りさえ感じられたりするかもしれない。しかし,現実的な精神科領域における現実の臨床では,変化や実りも如実に現れることなく,アンチドラマティックに続く。それは決して冒険的な日常などではなく,彩りも少なく,治療者たちと患者たちとがなんとかもちこたえるしかない,日常的な冒険にすぎない。
 治療室の中で,あるときは患者の死を悼み,あるときは人間の弱さを嘆き,あるときは精神の病に畏怖さえ覚え,生と死,精神の病,あるいは人間そのものについて,ふと著者は考えさせられる。そうした日々の臨床活動を道の辺から振り返るようにしてに書かれた28本の臨床エピソード。

おもな目次

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