日本語版への序

 人間には驚くべき可能性が備わっている。私たちが可能性を信じるならば,その人が生活のなかで可能性を手にしていく方法を見出すことができる。
 1977年に精神科医ミルトン・エリクソンに私は学んだ。エリクソンは人の力を引き出す手段を見出していた。本書のなかには,私がエリクソンから学んだことや彼の手法を適用していくなかでクライエントから学んだことがおさめられている。この本は型通りのものではなく,通常の日本での(アメリカでも)教授スタイルとは大きく異なるものであろう。しかし,このスタイルの方が,読者は楽しく取り組めて,学んだことを役立てやすいのではないだろうか。
 私は何回か日本を訪れたが,心理療法の最新の技法や理論に関する日本のセラピストの知見の高さに常に感銘を受けてきた。本書を日本のセラピストへ伝えるために尽力してくださった津川秀夫さんと宮田敬一先生に対して深く感謝の意を捧げたい。

サンタフェ,ニューメキシコ,U. S. A. ビル・オハンロン