近藤直司編

ひきこもりケースの家族援助
相談・治療・予防

A5判 220頁 定価(本体3,400円+税) 2001年5月刊


ISBN978-4-7724-0695-6

 近年増加が指摘されている青年期の「ひきこもりケース」は,本人が直接相談に訪れないことも多く,家族からの相談に応え,家族を支えることが,臨床家にとって重要な課題となる。
 本書では「ひきこもりケース」に実際に向き合い,試行錯誤を重ねている第一線の臨床家の手により,ひきこもりケースの基本的理解,家族援助の基本的枠組み,個別家族相談・家族教室/心理教育的アプローチ・親の会の実践が詳述されている。
 また,青年期におけるひきこもりを未然に防ぐためのアプローチとして,乳幼児期から思春期までの早期支援の方法論,地域精神保健システムを活用した早期介入モデル,児童精神科医療・児童福祉・学校精神保健における予防的観点を検討する。
 さらに,激しい暴力など,緊急性の高いケースに対する訪問や強制入院,移送制度の適応など,危機介入についての原則と実際が提示される。

おもな目次

    第Ⅰ部 ひきこもりケースの理解と家族援助

        第1章 ひきこもりケースの理解と治療的アプローチ:近藤直司
        第2章 子どもの「ひきこもり」に悩む家族への援助:楢林理一郎
        第3章 システム家族論からみた家族と精神分析からみた家族:おもに三者関係をめぐって:狩野力八郎

    第Ⅱ部 家族相談の実際

        第1章 ひきこもりケースにおける家族状況の分類と援助方針:近藤直司
        第2章 家族療法から見たひきこもりの家族内で起きていること:葛藤回避のベルをどのように無効化するか:吉川 悟
        第3章 スキゾイド病理をもつ家族への援助:狩野力八郎
        第4章 ハイラムダ・スタイルの「ひきこもり」青年への家族療法:中村伸一・中村紀子

    第Ⅲ部 グループを活用した家族援助の実際

        総 論 家族グループの有効性と留意点:近藤直司
        第1章 家族教室・心理教育的アプローチ①:発達論的観点に基づいた心理教育:近藤直司
        第2章 家族教室・心理教育的アプローチ②:家族を対象としたアディクション・モデルの発展型:長谷川俊雄
        第3章 家族教室・心理教育的アプローチ③:行動療法の視点から:林 祐造
        第4章 親の会:小林京子

    第Ⅳ部 ひきこもりケースへの予防的早期介入

        総 論 ひきこもりを予防できるか?:近藤直司
      1.予防的介入の可能性と課題
        第1章 問題行動を示す子どもの予後と早期介入の有効性:海外の先行研究より:高橋象二郎
        第2章 ひきこもりへの予防的介入と地域精神保健システムの課題:近藤直司
        第3章 固有の思春期までに発症する「ひきこもり」の精神病理と治療:親ガイダンスの重要性を中心に:皆川邦直
      2.臨床現場における予防的介入の実際
        第4章 軽度発達障害のある子どもたちへの早期介入:田中康雄
        第5章 児童福祉における予防的介入:本間博彰
        第6章 学校現場でできる範囲の予防的介入:吉川 悟

    第第Ⅴ部 ひきこもりケースへの危機介入

        第1章 ひきこもりケースへの危機介入:緊急時対応の実際と原則:後藤雅博