蔵本信比古著

引きこもりと向きあう
その理解と実践的プロセス

四六判 220頁 定価(本体2,200円+税) 2001年9月刊


ISBN978-4-7724-0704-5

 引きこもりが社会的な問題として関心を集めるようになり,精神医療,臨床心理,ソーシャルワーク,ジャーナリズムなどの分野から多様な取り組みがなされているが,その問題の多面性ゆえに,共通の接点が持ちづらく,効果的な援助を難しくしているのが現状である。
 本書では,ある引きこもりの経過を辿りながら,本人や家族の思いの一端を紹介し,さまざまに移ろっていく引きこもりの姿,それを取り巻く家族のイメージの共有を図る。さらに,アパシー,校内暴力,いじめ,不登校など,思春期・青年期問題のテーマの変遷を辿り比較しながら,引きこもりの系譜を捉え,「すくむタイプ」「しりごみタイプ」「症状優位タイプ」という臨床的なタイプ分けを試みている。また,「混乱期」「安定期」「ためらい期」「動き出し」という引きこもりの四つのプロセスを提示し,各プロセスごとの対応のポイントと心構え,本人・家族・援助者それぞれの役割を,実際場面に即した演習を交えて解説する。今,どのプロセスのどの位置にあるかを見極め,その時々に必要な時間をかけ,適切な取り組みを行なっていくことで,混乱を最小限にくい止め,引きこもりの閉じた環を開くことができるのである。
 本人・家族・援助者が同じ目の高さから引きこもりと向きあえるように……。本人グループや親の集いの活動を通し,引きこもりの相談援助に精力的に取り組んできた著者が願いを込めて贈る,手かがりと関わりのヒント集。

おもな目次

      はじめに
    第1章 引きこもりの姿
    第2章 引きこもりオブジェクション
    第3章 「引きこもり」Q&A
    第4章 引きこもりの系譜
    第5章 引きこもりの三つの側面
    第6章 閉じた環を開く
    第7章 引きこもりのプロセス
    第8章 スタートラインとゴール
      おわりに