下坂幸三編

心理臨床としての家族援助

四六判 260頁 定価(本体2,600円+税) 2001年8月刊


ISBN978-4-7724-0708-3

 一対一の個人面接に終始するかぎりは見えてこない、患者・家族の示す諸様相を、全面的・即事的に把握するには、家族面接にまさるものはないであろう。
 そして治療者が家族に対し、安心感を保ちつつ、つねに敬意を払うことを忘れることなく、治療のための当てになる相談相手として接するならば、家族は有力な治療協力者となる。本書の表題は「家族援助」であるが、家族もまた治療者をおおいに援助してくれるのである。
 本書は、ちかごろの家族療法の動向をめぐる解説にはじまり、分裂病、うつ状態、家庭内暴力・引きこもり、摂食障害、境界例、アルコール症、夫婦葛藤、老人の在宅ケアと、家族援助の主要対象群を網羅している。家族面接を通して患者・家族にとって真に役立つ心理的アプローチを行うための、実践の書といえよう。

おもな目次

    序――家族援助のすすめ――:下坂 幸三
    「療法」・「援助」という家族に関する二つのキーワードをめぐって――個人的な体験から――:渋沢田鶴子
    分裂病者をもつ家族への援助:伊勢田 堯
    分裂病者の家族援助:五十嵐善雄
    精神分裂病者と家族会:加藤 春樹・加藤 欣子
    うつ状態の家族援助:佐々木直哉・広瀬 徹也
    家庭内暴力・引きこもりの家族支援:斎藤  環
    摂食障害者の家族援助:鈴木 廣子
    アルコール症と家族援助について:石川  達・鈴木 美枝・望月  晃
    夫婦間暴力へのアプローチ:中村 伸一・中村 紀子
    老人の在宅ケアと家族援助:福山 和女
    境界例の家族援助:狩野力八郎・下坂 幸三