F・G・クルーズ,L・エッセン著/倭文真智子監訳

虐待サバイバーの心理療法
成育史に沿った包括的アプローチ

A5判 190頁 定価(本体2,800円+税) 2001年12月刊


ISBN978-4-7724-0725-0

 本書は,子ども時代の虐待による心の傷を持つサバイバーへの心理的援助の技法として,精神力動的アプローチや認知療法的アプローチなどを幅広く取り入れた,いわば折衷的/包括的療法について,理論と事例の両面から分かりやすく解説したものである。
 本書を読むことで,子ども時代の虐待という出来事が,発達の各段階にどのような影響を与えていくのか,加害的な養育者との継続的な関わりの影響が,乳幼児期から学童期,そして青年期,成人期へと進むにつれて,どのように姿を変えて現れるのかを理解することができる。虐待サバイバーの中には,大人になって家庭生活を営んだ時,みずからの虐待的な成育史の結果として「子どもへの不適切な関わり」を生じさせてしまっている場合もあろう。そうした“虐待する親への治療的アプローチ”という視点からも,本書は重要な示唆を与えてくれる。
 また,トラウマを持った子どもに日々接している方々にとっても,被害児が発達のどの局面で歪みを負い,これから何を克服しつつ何に向かって進んで行くのか,という“見立て”をする上で,極めて多くの示唆が得られるであろう。

おもな目次

    第1章 子どもの虐待とは何か?:アダルトサバイバーへの長期的影響
    第2章 アダルトサバイバーの症状と子ども時代の虐待の評価
    第3章 治療構造
    第4章 治療プロセス
    第5章 精神力動的治療法
    第6章 認知行動療法的治療法
    第7章 虐待/トラウマの治療法
    第8章 補完的療法
    第9章 トラウマ治療における臨床上の諸問題
    第10章 臨床家側の課題について
    第11章 臨床事例