ISBN978-4-7724-0729-8
コッホ(Koch, K.)が開発したバウムテストは,数枚の紙と鉛筆・ペンがあれば手軽に実行できる投影法であり,わが国でも臨床現場において急速に普及してきている。その内容は,被検者が自発性と独自性を示し得るものであり,さらに深い個性とそれに含まれていて〈語られないもの〉のすべてが表現され,発達の指標としても有用である。
本書は,不確定要素の多いバウムテストを実施するにあたっての注意点や実際の読み方を分かりやすく述べたものであり,もっぱら使いやすさと読み方に重点を置いている。著者の方法は,まず描画から特徴的なサインを抽出し,それぞれのサインを根拠にして性格特性や精神症状を指摘し,次にそれらを纏めて総合所見を作る。実践にあたっては,「なぜそのように読めるのか」と自問自答しながら根拠を示す姿勢を常に持って行うのである。本書はそのような姿勢で書かれているからこそ,バウムテストの所見(木の各部分)と精神症状を大胆に結びつけることに成功している。
150枚の樹木画を収録し,巻末にはバウムテストに表れるサインと精神症状,性格,問題行動の関係をわかりやすい一覧表として付した。