藤掛 明著

非行カウンセリング入門
背伸びと行動化を扱う心理臨床

四六判 190頁 定価(本体2,200円+税) 2002年2月刊


ISBN978-4-7724-0731-1

 非行や過剰な行動化が問題となる少年たちへのカウンセリングに,従来のカウンセリング理論や技法を応用してみても,かえって問題が悪化したり状況が混乱することになりかねません。非行は社会システムを激しく巻き込んだものですから,臨床現場では,病院や教育の領域とは異なった理解と対応が要求されているのです。
 それではどのように非行を理解すればいいのでしょうか。著者は,非行や行動化に見られる「背伸び・やせ我慢」をキーワードに,非行の本質を理解するための「目のつけどころ」を平易に説き明かしています。そしてその理解がどのように援助的アプローチにつながっていくのか,効果的な面接の「かんどころ」はどこか,その道筋を著者自身の体験と事例をもとに具体的にわかりやすく示していきます。
 非行・犯罪の実務家だけではなく,現代社会のダイナミズムの中で行動化する若者たちの援助に取り組むすべての心理臨床家に新しい視点を実感させてくれるでしょう。

おもな目次

    第Ⅰ章 非行の理解

      一 非行臨床の視座
        第1話 非行カウンセリングの独自性
        第2話 ある予備校生との面接
        第3話 非行と無力感
      二 背伸びの心理の諸相
        第4話 いきがりとおちゃらけ
        第5話 いじっぱり
        第6話 顔色うかがい
      三 背伸びの心理の周辺
        第7話 さまざまな悩み方と息切れ
        第8話 背伸びと指導場面
        第9話 普通の少年と非行少年の境目
        第10話 背伸びと不登校
        第11話 背伸びの心理と家族の動き

    第Ⅱ章 非行のカウンセリング

      四 非行カウンセリングの前提にあるもの
        第12話 運命と時間
        第13話 「とりあえず」の援助
      五 外来でのカウンセリング事例
        第14話 仕切りの面接(太郎君とのかかわり①)
        第15話 肯定的意味づけと権威(太郎君とのかかわり②)
        第16話 すっぽかし(太郎君とのかかわり③)
        第17話 卒業の儀式(太郎君とのかかわり④)
      六 施設でのカウンセリング事例
        第18話 ワンダウン・ポジション(次郎君とのかかわり①)
        第19話 幻想と現実の間に(次郎君とのかかわり②)
      七 面接を作るための勘どころ
        第20話 権威というしくみ
        第21話 裏腹な気持ちを扱う
        第22話 比喩の力
        第23話 終わり方の難しさ

    第Ⅲ章 非行のいま

      八 非行のいま
        第24話 人の痛みを感じること
        第25話 人と親しくなること
        第26話 薬物非行、粗暴非行、ひったくり非行
        第27話 非行カウンセリングと社会

    付章 実践ノート

      一 背伸びの心理と心理テスト
      二 実務家の書いた、非行臨床の本