P・W・コリガン,D・W・ギフォート編/野中 猛監訳/柴田珠里訳著

チームを育てる
精神障害リハビリテーションの技術

A5判 176頁 定価(本体4,200円+税) 2002年5月刊


ISBN978-4-7724-0739-7

 実践活動としての精神障害リハビリテーションには,さまざまな分野の多様な職種の参加が欠かせない。連携協働のチームを育てるには方法論と実践的工夫が必要であり,その技術を身につけるためには訓練や研修が不可欠である。
 本書は,精神障害リハビリテーションにおける,効果的なチームワークやプログラム開発に向けての研修方法や組織づくりの技術に焦点を当てたものである。
 はじめにパトリック・コリガンらが,活発で効果的なプログラム開発はチームワークを研修することと同時に行われるべきとする双方向的スタッフ研修(IST)を概説する。続いて,リハビリテーションチームとして機能する専門家の育成,システムズアプローチを用いたスタッフ研修,総合的な質の管理,効果的なチームリーダーの育成,さらに,積極的地域内処遇(ACT)に携わるスタッフ研修における基本戦略と,費用対効果を考慮した本当に役立つ研修を工夫するための効果研究モデルが紹介され,また近年出現した革命的な動向であるプロシューマー(当事者スタッフ)とのチームワークについても,その効果と起こりうる問題が詳細に解説される。最後にウィリアム・アンソニーが,リハビリテーション過程における技術の重要性について述べる。これらは,あらゆる対人サービス領域のチームにおいても応用可能なものである。さらに巻末には,アメリカ合衆国におけるリハビリテーションやチームワークの実際について,訳者である柴田珠里から実情解説を加えた。
 精神障害リハビリテーションの質を向上させるために,今もっとも求められる一書である。

おもな目次

    日本での出版によせて P. W. Corrigan
    序文
    第1章 チーム育成と事業開発に対する双方向的アプローチ
    第2章 リハビリテーションチームとして機能する専門家の育成
    第3章 システムズアプローチを用いたスタッフ研修計画
    第4章 行動保健サービスにおける総合的な質の管理
    第5章 効果的なチームリーダーの育成
    第6章 州助成による積極的地域内処遇事業の担当者研修
    第7章 精神障害リハビリテーションの提供者としての当事者
    第8章 精神障害リハビリテーションの技術:精神障害リハビリテーション過程の「ブラックボックス」を作動する
    付録1 アメリカにおけるケースカンファランスの要点
    付録2 米国におけるリハビリテーション専門職:公認リハビリテーションカウンセラー(CRC)とは?
    付録3 米国のリハビリテーションを支える行政システム