スティーヴン・J・ウォーリン,シビル・ウォーリン著/奥野 光・小森康永訳

サバイバーと心の回復力
逆境を乗り越えるための七つのリジリアンス

A5判 284頁 定価(本体4,200円+税) 2002年5月刊


ISBN978-4-7724-0741-0

 問題の多い家族の中で生き抜くサバイバーたちのために書かれた,セラピストとクライエントのための強さと勇気の本。
 欧米の児童精神医学では以前から,「リジリアンス(回復力)」という臨床概念の研究が熱心に行われてきている。本書の中心をなすリジリアンス(resilience)という言葉には,回復力の他に「快活,元気,弾力性」という意味もあり,また「雨降って,地固まる」というニュアンスをも含んでいる。
 ウォーリン夫妻のこの本は,学術的要素も紹介しつつ,身体的・性的虐待を受けたり,ネグレクトされたサバイバーのためのセルフヘルプをわかりやすく述べたものであり,クライエントを立ち直りの早いresilientとして想定して,個人や家族が逆境に立ち向かう能力を強化する鍵となる過程を詳しく紹介している。さらに,自分自身の中に変化する力を発見し,人生のストーリーを再構成するために,リフレイミングの技法を提示する。

おもな目次

    第Ⅰ部 痛みと機会

      第1章 問題の多い家族という難題
      第2章 ダメージに名前をつけることがそれを克服することになる
      第3章 リフレイミング:いかにして犠牲者の罠から逃れるか

    第Ⅱ部 七つのリジリアンス

      第4章 洞察:警戒は警備なり
      第5章 独立性:デリケートな協議
      第6章 関係性:愛を求めて
      第7章 イニシアティヴ:問題にある楽しみ
      第8章 創造性:何でもないことを価値ある何かに ユーモア:重大なことを何でもないことに
      第9章 モラル:神聖でない世界の神聖さ

      エピローグ:サバイバーの内なるイメージ:克服する人たち
      付録:ダメージ・インベントリー