「あとがき」より

 障害福祉の大きな変革期に本書を出版するという巡り合わせになりました。最初のプランから約2年経過しましたが,あらためて,さまざまな巡り合わせの不思議さを感じています。

 そもそも児童相談所と家族療法との巡り合わせが起点になっています。児童相談所で家族療法が導入されるようになり,不登校や非行問題に対して適用されてきましたが,家族援助の視点で障害問題にも目が向けられるようになりました。組織的には,児童相談所と知的障害者更生相談所が総合(統合)化されているところや兼務の形態をとっているところが多くあります。人事交流もあるので,障害相談の分野にも家族援助のウイングは徐々に広がりつつあると言えるでしょう。

 執筆したメンバーとの巡り合わせの機会を提供してくれたのは,「児童相談所における家族療法・家族援助の実際」という研修会や『児相の心理臨床(児童相談所の心理実務研究誌)』(全15巻で完結)です。この研修会は各地で家族療法に取り組んでいるメンバーが自主的に集まり,毎年1回開催しているものです。また,『児相の心理臨床』は『そだちと援助』(児童・思春期・知的障害者福祉臨床の展開)として,新たに発行されました。これらは福祉臨床現場で働くものにとって,ささやかではありますが,大切なネットワークとなっています。
 執筆を引き受けていただいた方,およびその仲介役でお世話になった方々,また,各職場・チームの方々に感謝します。

 知的障害者更生相談所との巡り合わせも,障害を持つメンバーと暮らす家族のことを考える上で大きな転換点となりました。また,職場の仲間との巡り合わせも大きな原動力となっています。この巡り合わせがなければ,今回の出版には至らなかったと思います。あらためて,感謝申し上げます。

 団士郎氏は「火」のように燃え上がる(人を焚きつける?)熱情的なタイプと言えるでしょうか。岡田隆介氏は「水」のようにクールで(いろいろな器に合わせられる?)論理的なタイプかもしれません。私(早樫一男)はと言えば,ただただ「風」のように流れに乗っていただけであり,この二人の合力によって支えられました。
……(後略)

2002年6月25日 編者を代表して 早樫一男