狩野力八郎著

重症人格障害の臨床研究
パーソナリティの病理と治療技法

A5判 296頁 定価(本体4,200円+税) 2002年9月刊


ISBN978-4-7724-0753-3

 人間のパーソナリティは,連続的かつ不連続に変化する複雑なプロセスとして捉えられる。心の専門家である精神科医や臨床心理士の前に現れるクライエントの多くはパーソナリティ障害を持っており,彼らは治療者を非常に悩ませることで知られている。
 本書は,人格障害の全体像を理解し,心理治療的アプローチを実践するための懇切な臨床書である。
 本書には二つの特長がある。一つは,精神分析理論によるパーソナリティ障害論の一大パノラマという点であり,もう一つは,サイコセラピーが有効な人格障害への著者の力動的精神療法の技法があますところなく紹介されているところである。
 治療に関する原則的な事柄,心理面接技法の基礎,家族療法や夫婦療法,チーム治療の実際,治療者の基本的役割など,日常臨床の中からフィードバックした実践的な知見が数多く詳述されている。

おもな目次

    第Ⅰ部 パーソナリティ障害の構造

      1.総論:性格とパーソナリティの障害
      2.性格とパーソナリティ障害の類型化
      3.精神分析からみた人格障害の成因
      4.青年期の人格形成
      5.人格障害の発症時期と経時的変化
      6.スキゾイド患者について

    第Ⅱ部 境界パーソナリティと自己愛パーソナリティ

      7.内的空間の形成過程
      8.境界性人格障害の治療
      9.重症パーソナリティ障害について
      10.ナルシシズムの病理と治療技法
      11.自己愛性人格障害の治療

    第Ⅲ部 治療の実際

      12.治療者の支持的役割
      13.動機と創造
      14.誇大的自己を持つ境界例患者に対する夫婦療法
      15.個人からチームへ
      16.境界例治療の研修に与える影響