林 直樹著

人格障害の臨床評価と治療

A5判 290頁 定価(本体4,200円+税) 2002年10月刊


ISBN978-4-7724-0755-7

 精神医学全体を眺めると,人格との関わりが問題とならなかった精神疾患はおよそ存在しない。そして,人格障害への治療的対応の重要性は広く知られている。
 本書は,臨床経験に基づいて著者が練り上げてきた治療モデルを提示することを軸として,人格障害の臨床の全体像を描き出すことを目指したものである。まず第Ⅰ部では,人格障害の基本的特性を明らかにした上で,世界保健機構や米国精神医学会の診断基準で規定されている類型ごとに,疾病論的位置付けや診断評価の意義の検討,臨床研究の流れの展望が行われる。第Ⅱ部では個人精神療法や入院治療,家族との協力,自殺企図や暴力への対応など,さまざまな臨床場面における対応方法に焦点があてられる。さらに第Ⅲ部では,8症例の長期的な治療経過が紹介されるうちに,第Ⅰ部,第Ⅱ部の理解が敷衍され,多くの臨床的知見を含む議論が展開される。
 人格障害は,すべての心の専門家が関心を向ける必要のある重要な問題である。臨床的課題への対応はいかにあるべきかという視点に貫かれた本書は,人格障害の基礎的理解を深め,臨床での実践を進める上で適切な指針となるであろう。

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