傳田健三著

子どものうつ病
見逃されてきた重大な疾患

A5判 272頁 定価(本体3,600円+税) 2002年11月刊


ISBN978-4-7724-0762-5

 近年,子どものうつ病が一般に認識されているよりもずっと多く存在するということが明らかになってきた。しかも,従来考えられてきたほど楽観はできず,適切な治療が行われなければ,青年あるいは大人になって再発したり,他のさまざまな障害を合併したり,対人関係や社会生活における障害が持ち越されてしまう場合も少なくない。今やこの疾患を正確に診断し,適切な治療と予防を行うことが急務となっている。
 本書は,子どものうつ病を包括的に捉えて,成因・病態,症状,分類・類型,経過・予後などについての最新知見を簡潔に述べたうえで,有効な薬物療法・精神療法,家族へのアプローチ,自殺の予防といった治療の実際を豊富な症例を挙げ具体的に詳述したものである。さらに現代社会の子どもへの影響や,“うつ”状態が子どもにとって何を意味するかまでにも言及している。今まで見逃されてきた「子どものうつ病」を正しく診断し,治療するために必要な事柄をすべてもり込んだ実用書である。

おもな目次

      序  論

    第Ⅰ部 子どものうつ病とはどんな病気なのか?

      第1章 子どものうつ病の概念と歴史――子どものうつ病はどのように考えられてきたのか?――
      第2章 子どものうつ病の疫学――子どものうつ病は意外に多い病気である――
      第3章 子どものうつ病の成因・病態――子どものうつ病はどうして起こるのか?――
      第4章 子どものうつ病の症状――子どものうつ病の本質的な症状とは何か?――
      第5章 子どものうつ病の分類・類型――子どものうつ病にはどんな種類があるのか?――
      第6章 子どものうつ病の経過・予後――子どものうつ病はどのような経過をたどるのか?――

    第Ⅱ部 症例呈示

      第7章 典型的な子どものうつ病症例
      第8章 子ども特有のうつ病症例

    第Ⅲ部 子どものうつ病の臨床的特徴

      第9章 子どものうつ病に関する文献展望
      第10章 児童・青年期の気分障害に関する臨床的研究――大学病院における5年間の外来統計――

    第Ⅳ部 子どものうつ病の治療

      第11章 初回面接の重要性――子どものうつ病治療の成否は,初回面接によって決まる――
      第12章 子どものうつ病の薬物療法――子どものうつ病に薬物療法は有効か?――
      第13章 一般的な精神療法的アプローチ

      第14章 専門的な精神療法――認知療法,対人関係療法,非言語的アプローチ――
      第15章 家族へのアプローチ
      第16章 子どものうつ病の予防
      第17章 うつ病パンフレット――うつ病なんて恐くない――

    第Ⅴ部 子どもと現代社会

      第18章 子どものうつ病と自殺
      第19章 子どもと現代社会――現代社会は子どもにどのような影響を与えているのか?――
      第20章 子どもにとってうつ病は何を意味するのか――新しい生き方の模索――