「精神療法」編集部編

患者から学ぶ

四六判 232頁 定価(本体2,600円+税) 2003年1月刊


ISBN978-4-7724-0771-7

 『患者から学ぶ』は雑誌「精神療法」にて1984年から連載開始し,現在も好評を博しているエッセイで,経験豊かな治療者たちが,日頃の臨床生活の中で患者を通して考えたこと,得たことがざっくばらんに語られている。
 今回収載された38人のベテラン療法家たちによるエッセイは,病について学んだこと・治療の意味やこつ・医者としての在り方について・病と生き方について・死と向き合うこと・人生の終焉についてなど,医療に関することから,人間と人生そのものにまつわることまで,その内容は多岐にわたる。
 長年の臨床経験に裏打ちされた,先人の知恵ともいえるこのエッセイ集からは,学術論文から学ぶこととはまた違う,治療へのヒントや患者と自分自身に対する姿勢が見えてくるだろう

おもな目次

      新しい進展のために:新福尚武

    第Ⅰ部 病について学ぶ

      ● 病への理解 ●
        ことば・雰囲気・イメージ:橘 玲子/Transcultural Psychotherapyの体験を通して:中久喜雅文/第三のevidence:永田俊彦/分裂病者の晩期感情的変調と晩期発症分裂病または妄想性障害:臺  弘
      ● 治療の意味・治療のこつ ●
        患者の治療にかなった技法を編み出すには:下村美刈/体質を超える:松浪克文/治療者は心理治療をとおして患者から何を学ぶのか:中沢たえ子/精神療法と感謝:桂 戴作/治療者の介入に対する患者のコメント:成田善弘/無害と思われるアプローチ:五味渕隆志/サイコロはいいな:安永 浩/「オレのからだへ働きかけるオレ」に気づかされて:成瀬悟策/治療者自身の内的統合のあり方:佐治守夫
      ● 治療者としてのスタンス ●
        治療者としてのスタンス:新福尚武/被災した方々から学んだこと:荒井 稔/診察室の外で:野上芳美/分析的精神療法の中で:高橋哲郎/答えに窮す:小倉 清/カウンセラーの謙虚さ:氏原 寛/患者が先生:北山 修/推量の欠乏を知らされる:岡上和雄/「患者から学ぶ」にこだわるのはなぜか:鈴木純一/「患者から学ぶ」というテーマ名が引き起こした連想の一つ二つ:中安信夫/傾聴――患者とのつき合いの基本――:山下 格

    第Ⅱ部 人間について学ぶ

      ● 病とともに生きる ●
        生き方の選択:池淵恵美/病とそれぞれの人生:北西憲二/人間関係の中で:柴田洋子/百科辞典にはウサギのことがいっぱい書いてある:村田豊久/自立をめざす当事者の主体性:蜂矢英彦
      ● 死と向き合う ●
        他人事ではない、ある経験:関根義夫/痴呆性老人の面接から:前田久雄/死を切札に使う患者:阿部 裕
      ● 患者とともに歩む ●
        育つことと待つこと:佐藤光源/学んだことさまざま:青木省三/パートナーを振り返って:三好暁光/精神科医の思い込み:大森健一/高い人間性に到達して:川原隆造/臨床医としての歩み:河野友信