ジョアン・シミントン,ネヴィル・シミントン著/森 茂起訳

ビオン臨床入門

A5判 240頁 定価(本体3,800円+税) 2003年10月刊


ISBN978-4-7724-0801-1

 本書は,ビオンのスーパーヴァイズを受けた著者らが,精神分析家ビオンの臨床に対する考え方を再検討し,多くの事例を交えながら,具体的にかつわかりやすく詳解したものである。
 ビオンの解説にはクラインの理論から入るものが多いが,本書はビオンの理論とクラインとの間の断絶を強調することで,独立したビオンの理論体系をより明解に描き出しているところにポイントがある。本書では,ビオンの著作の中でも重要とされる『経験から学ぶこと』『精神分析の要素』『変形』の三冊のテーマを包含しているので,「基底的想定」「究極的現実〈O〉」「K」「H」「L」といった難解といわれるビオンの思想に容易に迫ることができる。また,ビオンの小伝やグループ・アプローチにも触れられ,だれしもがその臨床のエッセンスをただちに吸収できるものとなっている。
 常に臨床と向き合ってきたビオンの思索を追求した本書は,初学者だけでなく,ベテランの精神分析家にとっても座右の書となるだろう。

おもな目次

    第1章 ビオンとフロイト‐クラインの理論的断絶
    第2章 ビオン――その人物像
    第3章 情動の触媒
    第4章 グリッド
    第5章 神話とグリッド
    第6章 容器/内容(コンテイナー/コンテインド)
    第7章 アルファ機能
    第8章 思考の診断
    第9章 心的現実
    第10章 思考の成長
    第11章 変形
    第12章 グループ研究
    第13章 精神病の現象学
    第14章 記憶なく,欲望なく
    第15章 究極的現実,神秘家,権威体制
    エピローグ
    ビオンの年譜/ビオンの著作/ビオンの邦訳/ビオンの関連書