村瀬嘉代子・青木省三編

すべてをこころの糧に
心理援助者のあり方とクライエントの現実生活

四六判 270頁 定価(本体2,800円+税) 2004年5月刊


ISBN978-4-7724-0823-3

 スクールカウンセラー活動,被害者支援,高齢者支援,子育て支援など心理臨床の領域が広がるにつれ,心理的援助のパラダイムも従来の面接室内の一対一のモデルから,他職種との連携など,多彩な展開が生じてきている。
 本書は,心理療法とは何か,治療的な要因とは何か,人はどのようにして変わることができるのか,援助者に求められているものは何か……,これらの問題を異なった立場から考えようとした,さまざまな「心理療法の本質」論である。
 人を援助する営みについて考えると,いろいろなものが心理療法の可能性を秘めており,クライエントの現実生活を直接,間接に援助するもの,さまざまなものの統合として心理療法はある。本書の表題には編者のこういった思いが込められている。
 クライエントの必要とすることに的確に応えること,より効果的な心理療法を実践するための理論と技術の要諦を違った角度から考察した画期的な論集である。

おもな目次

    心理療法と日常生活――時の流れと空間の広がりの中で/青木省三
    さまざまなものの統合としての心理療法/村瀬嘉代子
    心理療法における治療的変化の場と自然治癒的要因/村上伸治
    精神障害者支援と心理臨床――患者と共に面接室を出るとき/川俣明美
    子どもたちと暮らして思うこと――自立援助ホームからの報告/三好洋子
    暮らしの中の癒し――拝み屋考を中心に/生村吾郎
    犯した罪に向き合うということ/神谷信行
    森田正馬の生きた時代とこれからの森田療法/森山成彬
    心理療法の歴史をたどり直す/江口重幸
    〈対談〉心理療法と生活の知恵/滝川一廣・青木省三