D・R・ベッカー,R・E・ドレイク著/大島 巌,松為信雄,伊藤順一郎監訳/訳者代表 堀 宏隆

精神障害をもつ人たちの
ワーキングライフ
IPS:チームアプローチに基づく援助付き雇用ガイド

A5判 256頁 定価(本体3,600円+税) 2004年11月刊


ISBN978-4-7724-0851-6

 地域生活に基盤を置いた精神保健福祉が推進される中で,精神障害をもつ人たちの「働くことを含む人生」(ワーキングライフ)へのニーズに応えることが,ますます重要な課題となってきている。
 本書では,どんなに重い障害をもっていても,本人に希望があれば一般就労は可能であるという強い信念に基づいた「IPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)」による援助付き雇用の実践ガイドラインが,28に及ぶ詳細な実例とともに紹介されている。
 IPSでは,医療・保健・福祉・就労が一体となった多職種チームにより,本人の興味やストレングスに応じて,“place then train”(就職してからの訓練)を基軸にした職場開拓・求職活動を展開する。就労前後に継続的・同伴的なサポートをすることで,就労への意欲や能力を維持し,従来型の職業リハビリテーションでは対処できなかった課題を乗り越えようとする。このIPSの力強い理念は,科学的根拠に基づく実証研究に裏打ちされており,現在注目を集めているACTと組み合わせて実施する就労支援モデルとしても検討されている。
 IPSは,チームアプローチとケースマネジメントの手法を用いて職業生活を支援するアプローチであり,地域精神保健システムと連携して進めるこれからの就労支援プログラムを実現する方向性を指し示すものである。

おもな目次

      日本語版への序文
      はしがき

    第Ⅰ部 IPSの概念的・経験的基盤

      第1章 はじめに
      第2章 援助付き雇用の概念,歴史的・理念的基盤
      第3章 IPSの理論的基礎
      第4章 援助付き雇用へのIPSアプローチ序説
      第5章 IPSの研究

    第Ⅱ部 援助付き雇用の実践ガイドライン

      第6章 IPSの概要
      第7章 地域精神保健機関におけるIPSの構造
      第8章 IPSの始動
      第9章 就労に基づく総合アセスメント
      第10章 求職活動
      第11章 仕事の維持

    第Ⅲ部 特別な課題

      第12章 重複障害と就労
      第13章 高等教育と就労
      第14章 援助付き教育
      第15章 異文化理解と就労
      第16章 結 論

    資  料

      資料1 個別就労計画
      資料2 職業プロフィール
      資料3 職務内容
      資料4 事業主宛の手紙の文例
      資料5 援助付き雇用フィデリティ尺度