あとがき

 以前,包括システムによる日本ロールシャッハ学会(以下JRSCと略記)のニューズレター「ACROSS THE HORIZON No.4」の特別企画で若手座談会を行った時,コーディングや解釈が学会誌に逐語で載っていて大変参考になるとの意見が出されたことを思い出しました。編集委員のご尽力により,Dr. Exnerの来日時(1999年第5回大会,2002年第8回大会)の特別講演2編とワークショップでの事例解釈2編は既存のJRSC学会誌第4巻,5巻,7巻に納められています。その場に参加できなかった方,そして参加して聴くことができた方にとっても,活字として触れることができることは大変ありがたいことだったと思います。
 このたび,まだ誌面化されていなかった第8回大会ワークショップでの事例解釈2編を加え,1冊にまとめられました。JRSCにとって初めての出版書となります。この企画は現理事会の協議のもと,現編集委員会が具体的な作業を託され,歴代の編集委員のお力をお借りしながら,それぞれ日々の仕事が忙しい中,年末年始をはさみ作業を進めてきました。Dr. Exnerのライブを体験した参加者にとっても,そうでない方にとっても,またすでに学会誌で読まれた方も,まだ包括システムに触れていない方にとっても,新たに編集された本書は読みごたえ十分な1冊になることは間違いないでしょう。お読みいただければわかると思いますが,ヘルマンによるロールシャッハ・テストの誕生に始まり,Dr. Exnerによる事例の丁寧かつ包括的な解釈,治療計画・目標,フィードバック等々,日々の臨床に生かすことができるエキスがギュッと詰まった宝箱のような1冊です。
 JRSCが1994年に発足し,2004年に10周年を迎え,第10回大会が東京で開催されたのはご記憶に新しいことでしょう。新たな10年を歩み出す2005年,広島での第11回大会に合わせて,皆さまのお手元に届けることができますことを心から大変嬉しく思います。
……(後略)

2005年3月 包括システムによる日本ロールシャッハ学会 事務局長   野村邦子