マーク・レーガン著/前田ケイ監訳

ビレッジから学ぶ
リカバリーへの道
精神の病から立ち直ることを支援する

A5判 122頁 定価(本体1,600円+税) 2005年5月刊


ISBN978-4-7724-0870-7

 統合失調症などの重い精神の病を持っていても,人は立ち直ることができます。人として尊重され,希望を取り戻し,社会に生活し,自分の目標に向かって挑戦しながら,かけがえのない人生を歩むこと,それが「リカバリー」です。
 本書で紹介されている「ビレッジ」は,精神保健福祉サービスの統合的ケアモデルのパイオニアであり,リカバリー・コミュニティとして活躍しているカリフォルニア州の団体です。ビレッジでは「メンバー」と呼ばれる利用者が,職員と一緒に自分用のリハビリテーション・プログラムを作成しつつ,それぞれのリカバリーを体験しています。ビレッジの設立スタッフであるレーガン博士は,本書において,多くのメンバーの物語を織り交ぜながら,個人がどのような過程でリカバリーを経験していくか,専門家がその過程にどう参与していくかについて,具体的な実践原則を述べています。
 リカバリーは,精神の病を持つ人たち,その家族,支援にあたる専門家にエネルギーを与える革新的ビジョンであり,これからの精神保健福祉サービスの中核となる考え方です。本書を読むことで,リカバリーが決して理想や理念の世界でなく,精神の病を持つ人たちの真の回復に役立つ実践の核心であることが理解できるでしょう。
 「私のこの本が,日本でのリカバリーの種蒔きをもっと広げるために役立ちますように」(マーク・レーガン)

おもな目次

    日本の友に贈る言葉:ロバート・ポール・リバーマン
    日本語版へのまえがき:マーク・レーガン
    本書をお読みいただく前に:リカバリーについて:前田ケイ

序 章 はじめに

第1章 リカバリーの段階を考える

    リカバリーの四つの段階

第2章 第1段階:希望

    伝統的な見方に疑問を持つ
    治療に成功することの再検討
    可能性を信じる
    将来への明確なイメージを持つ
    気持ちの内側に入り込む

第3章 第2段階:エンパワメント

    事例としてでなく人として見る
    医師の役割を再評価する
    薬物治療を協働で進める
    役に立つ情報と選択肢を提供する
    産科とガン治療の分野から学ぶ
    エンパワメントを実行する
    敬意と誠実を示す

第4章 第3段階:自己責任

    ストレスを避けるのではなく,リスクをサポートする
    強制ではなく働きかけを続ける
    メンバーの選択をサポートする
    準備ができているかどうかに関係なく,トライする
    私たち自身の内にある差別をみつめて
    失敗を覚悟で挑戦するのは,たやすいことではない
    リスクに挑むにはよい関係作りが必要
    ほかの人への思いやりを増す

第5章 第4段階:生活のなかの有意義な役割

    新たな役割を探す
    ●仕 事
    期待を高める
    ●愛とセックス
    ●家 族
    家族のもとへ帰るということ
    ●子ども
    家族と支援を拡大する
    ●スピリチュアリティ
    道を探し求めて
    スピリチュアルな雰囲気を創る
    ●生きがいのある生活
    障害となるものを取り除く
    生活を失うということ
    有意義な役割を持つ人として関わる
    役割を変える
    コミュニティを築く

終 章 リカバリー・ビジョンを広める

    リカバリー・ワーカーになる
    態度の変化に影響を与える

【モーリス・ウィークスさんの手記】ワルの俺にはさよならだ