妙木浩之著

精神分析における言葉の活用

A5判 250頁 定価(本体3,400円+税) 2005年11月刊


ISBN978-4-7724-0892-9

 「はじめに言葉ありき」。本書の主題「活用use」の意味するところは,道具として言葉をどのように利用・運用するかということであり,とりわけ心理療法の空間において,どのように言葉を使うかという点に集約される。
 まずウィニコットやサリバン,ラングスに加えて,グレイ,ギルといった米国の対象関係論以後の諸学派の理論・技法をバックグラウンドに臨床の仕事にたずさわる著者が,それらの心理療法家たちの理論・技法をわかりやすく解説する。そして,臨床場面における道具としての言葉,言葉の認識機能としてのメタファーの重要性,実際の行為としての発話の力など,言葉とそれに付帯する要素をどのように活用すべきかを示す。
 本書は精神分析を愛する,そしてそれを標榜する著者が,その利用価値を最大限プラグマティックに拡張したいと願って書いたユニークな臨床指導書である。

おもな目次

    序章
    第1章 心の風景としての精神分析
    第2章 分析的スクリーン――治療者の思い――
    第3章 精神分析における「声」
    第4章 治療者内パラドクス
    第5章 名づけること
    第6章 メタファーの発見と使用
    第7章 「なに,それ」――精神分析において問うこと――
    第8章 暗号解読,そして介入の妥当性確認――ラングスの仕事から――
    第9章 「私」と行為――グレイとシェーファーの仕事から――
    第10章 「書くこと」の力動的意義