読者の皆さんへ

 ナラティヴ・プラクティス探求論文集を手に取ってくださって,ありがとうございます。ナラティヴ・プラクティスは,世界中の実践家を巻き込んだ集団的過程をへて発展してきています。いくつかの論文を対照させ,まとめようと思ったのは,ナラティヴ・セラピーのトレーニング・ワークショップにおいてよく問われる質問の多くに答える,読みやすい本を提供したかったからです。共同作業的ライティング・プロジェクトは刺激的だったので,この本も,ナラティヴ・プラクティスの喜び,ジレンマ,そして現在進行中の展開についての(とても幅広いネットワーク上での)現在進行中の会話に貢献することでしょう。この本での私たちの会話スタイルによって,ナラティヴ・アイデアに従事する実践家コミュニティの一部になった感じを抱いてもらえるのではないかとも思います。
 この論文集は,あなたがナラティヴ・プラクティスの入門者であれ,いくらかそれに慣れてきた方であれ,役に立つことでしょう。ナラティヴなアイデアを実践に持ち込む過程には,幸いにも,終わりがないのです! むしろ,それは,エキサイティングで,挑戦的なやり方で先を見続ける,現在進行形の旅なのです。ここに収められた論文は,あなたの実践においてあなたを支持する詳細さと厳密さの両方を兼ね備えていることでしょう。
 この本に盛り込まれているのは,世界中のいろいろな地域で活躍するセラピストたちによって形作られた治療的会話のストーリーです。セラピーの実践について語り合う同僚を持つことが,仕事上の望みを追求する上で,掛け替えの無いものだということが分かります。本書の鍵となる目的は,さらなるQ&Aの会話を刺激することです。
 何年ものあいだ,私たちはさまざまな領域においてナラティヴ・プラクティスの教育を行ってきましたが,どこで教育するのであれ,誰に向けて教育するのであれ,かならず問われる質問があることを発見しました。そこで,それらのQ&Aを以下の主題に沿って振り分けてみました。

・外在化する会話
・再著述する会話
・リ・メンバリング実践
・アウトサイダー・ウィットネス実践

 さらには,レオニー・トマスによって収集され『ポスト構造主義とセラピー』と名付けられた論考を本書に含められたことを,とても嬉しく思います。このQ&Aは,大きなトピックとして記述されることの多いものへの答えとして役に立つと思います。
 最後に,それほどには問われることのない質問も,ここに含めました。それは,『フェミニズム,セラピー,そしてナラティヴなアイデア』と題された最終章です。それは,私たちが仕事をする人々の人生や私たちにとって重要であるQ&Aを,含んでいます。
 本書によって,さらなる質疑応答とさらなるナラティヴ・プラクティスの探求が刺激されることを,望みます。もちろん,皆さんからのリフレクションがあれば,言うことはありません!

ショーナとマギー