曽我昌祺・日下菜穂子編

高齢者のこころのケア

A5判 200頁 定価(本体2,800円+税) 2006年4月刊


ISBN978-4-7724-0912-4

 歴史上類を見ない高齢社会を迎え,介護や認知症といった高齢者臨床の問題はますます大きくなっていく。そうした状況のなか,高齢者臨床の実践者のために,「こころのケア」という側面から即実行可能な知見・技術を,多くの事例をもとにわかりやすくまとめたものが本書である。
 高齢者のこころのケアと言えば,アルツハイマー型の認知症が想像されるが,そればかりではなく,老いへの抑うつや死の準備といった高齢者特有の心理的状態に対するケア,また,疲労の蓄積した介護家族への対応,燃え尽き寸前のスタッフへの心配りなど,高齢者のこころをめぐる問題を本書では全方位的に網羅している。
 本書は,精神科医,介護士,看護師,臨床心理士,デイケアや在宅介護の専門家など高齢者臨床実践者に向けて書かれた本書の16章は,よりきめ細かく,より質の高い臨床実践のためのヒントとなることであろう。

おもな目次

      序にかえて 高齢者のこころを支える多様な心理的アプローチ:曽我昌祺

    第1部 高齢者への治療的アプローチ

      第1章 高齢者の身体・精神機能の特徴:岩佐 一
      第2章 高齢期の心理的特徴と介入の際の留意点:藤田綾子
      第3章 高齢期の心理的アセスメント――適切なケアを行うために:小海宏之
      第4章 認知症高齢者の問題行動への対処――行動療法の立場から:芝野松次郎
      第5章 高齢者の対人関係を改善する――集団絵遊び療法から:串崎真志・近藤良一
      第6章 高齢期のうつに対処する――認知行動療法の立場から:日下菜穂子
      第7章 高齢者のリソースを活かす――解決志向アプローチから:曽我昌祺
      第8章 高齢者の主体性を高める――臨床動作法:竹田伸也・冨永良喜
      第9章 高齢者の対人交流を深める――回想法:日下菜穂子
      第10章 こころの充足を求めて――音楽療法:稲田雅美
      第11章 高齢の家族を支える――家族療法の立場から:得津慎子

    第2部 高齢者支援における心理的介入

      第12章 高齢者施設におけるこころのケア:北村由美
      第13章 介護スタッフのストレスマネージメント――バーンアウトを防ぐために:田辺毅彦
      第14章 介護家族のこころのケア:小林敏子
      第15章 終末期がん患者に対するこころのケア:黒丸尊治
      第16章 高齢者援助における社会資源の活用:野坂達志