村瀬嘉代子・他著/滝川一廣・青木省三編

心理臨床という営み
生きるということと病むということ

A5判 280頁 定価(本体3,600円+税) 2006年7月刊


ISBN978-4-7724-0914-8

 著者は,特定の理論や技法に拠ることなく,生活事象のすべてを実践場面で活用する臨床家であり,また一方で,比類のないメンター(mentor)ともいえる希有の存在である。本書は,語る者によって実に多彩な姿を現す,村瀬嘉代子という臨床家を読み解くための,また,村瀬流儀の心理臨床の在り方を多方面から浮き彫りにしようと試みた,またとない解説書ともなっている。
 心の援助者としての基本的態度,理論や技法の適切な用い方,真に必要とされる臨床の智恵とは,クライエントの声なき声に応える心理臨床の営みとはどういうものか,あらゆる心の臨床課題にこたえる珠玉の論考と,著者ゆかりの人物技量共に卓越した臨床家たちによるさまざまな挿話によって綴る,村瀬嘉代子ワールド。

おもな目次

      はじめに 村瀬嘉代子
      序 滝川一廣

      臨床心理の在り方について―子どものこころに出会う
      看取るこころと看取られるこころ
      統合的心理療法のすすめ―個別的にして多面的アプローチ
      心理的援助と生活を支える視点
      子どもが心理的援助を受けるということ
      自閉症児への統合的アプローチ
      心理臨床と被害者支援
      生きられた時間を求めて
      書評 臨床家のためのこの一冊

      事例検討会から:伊藤直文
      モナリザ村瀬の微笑み:乾吉佑
      村瀬嘉代子先生に教えられたこと:江口重幸
      まろやかな嘉代子先生へ:大塚義孝
      超絶技巧と歌心―村瀬嘉代子先生に捧げる:岡昌之
      思い出いろいろ:小倉清
      臨床心理士として:河合隼雄
      懺悔:神田橋條治
      体験を作るもの:神庭重信
      症例論文における同意問題―村瀬嘉代子先生の問い掛けに応えて:熊倉伸宏
      あしたもよろし,ゆふべもよろし:黒川由紀子
      夏の日の槿:島悟
      奥様は魔女:清水將之
      人を育てるということ―村瀬嘉代子先生に教えていただいたこと:下山晴彦
      花を摘む手に刀が似合う:田嶌誠一
      村瀬嘉代子先生へ,あらためて感謝をこめて:田中康雄
      「ひそかに祈る」:土居健郎
      村瀬嘉代子さんの統合的アプローチに思う:中井久夫
      不思議な人:成田善弘
      「統合的心理療法の考え方」を生きること:村山正治
      ジェネラ(生みの感覚)を開く:森岡正芳
      美しい人:山上敏子
      村瀬嘉代子先生という方:山中康裕
      出会いの達人:吉田敬子

      あとがき 青木省三