氏原 寛著

カウンセリング・マインド再考
スーパーヴィジョンの経験から

A5判 240頁 定価(本体3,400円+税) 2006年11月刊


ISBN978-4-7724-0941-4

 本書は,著者の「スーパーヴィジョン」経験から紡ぎだされたカウンセリング論や,「カウンセリング・マインド」など,心理臨床のエッセンスが惜しみなく盛り込まれた論文集である。
 著者は,世間一般にいわれてきたカウンセリング・マインドというものが,実は誤解にもとづいたものであり,そのことが現在の臨床心理行為の専門性の確立を阻む一端を担っていると指摘し,心理臨床の源ともいえるカウンセリング・マインドとは何であるかを今改めて問い直す。また,著者の豊かな経験からもたらされた,スーパーバイザーとしての視点も,臨床に関わる人間にとって必読の価値があるといえよう。最終章では,新たな潮流であるナラティヴ・セラピーを読み解くなど,意欲的な一冊に仕上がっている。
 初学者への平易な表現によるイントロダクションから,心理臨床の歩みと現状を厳しく問い直した論考,臨床心理の最前線をも視野に入れたカウンセリング論まで,幅広い読者に多くの示唆を与えるであろう。

おもな目次

    第1部 カウンセリングとは―初学者に向けて―

      第1章 スクールカウンセラーを目指すひとのために
      第2章 カウンセリング
      第3章 カウンセリング断章
      第4章 見立てから体感へ
      第5章 カウンセリングの基礎に関する実践論的問題提起

    第2部 心理臨床の歩みと現状

      第6章 偶然だからか必然なのか
      第7章 臨床心理行為とは何か
      第8章 臨床心理学的地域支援

    第3部 カウンセリング論考―共感を中心として―

      第9章 診断と見立て
      第10章 共感的理解と診断的理解
      第11章 告白,解明,教育,変容
      第12章 転移/逆転移に関する覚え書
      第13章 ナラティヴセラピー事始め