B・W・ウォルシュ著/松本俊彦・山口亜希子・小林桜児訳

自傷行為治療ガイド

A5判 320頁 定価(本体3,800円+税) 2007年3月刊


ISBN978-4-7724-0956-8

 ウォルシュの前著『自傷行為――実証的研究と治療指針――』の刊行以降,自傷行為は教育現場や医療現場でますます重要視され,治療法が広く必要とされるようになっている。
 本書では,前著で詳しく論じられなかったトラウマや解離の問題を含め,リネハンの弁証法的行動療法(Dialectical Behavioral Therapy ; DBT)を踏まえた具体的な治療論が展開されている。また,自傷行為の定義からはじまり,初回面接,アセスメント,認知(行動)療法,家族療法,薬物療法,伝染の問題,学校における自傷管理方法までを詳細に,よりマニュアル化した形で書かれているのも本書の特徴のひとつである。臨床の合間に必要な項目のみ参照して活用でき,初学者のみならず,中級者にも自傷臨床への有益な着想が得られるだろう。
 巻末に付された付録には「呼吸法マニュアル」,自傷関連サイトの紹介,自傷者のための権利章典が収録されている。「呼吸法マニュアル」はすぐにでも自傷臨床に生かせるであろうし,サイトの紹介,権利章典なども自傷者自身の心の風景を反映しており,興味深い。
 本書は,自傷行為に関するあらゆるトピックを現代的な水準で網羅し,豊富な実証的知見・臨床経験を基に,治療法をすぐさま臨床実践に生かせるようプラクティカルに解説した,自傷行為治療にたずさわるすべての人々のための最良の治療ガイドである。

おもな目次

    第Ⅰ部 定義と背景

      第1章 自傷の定義,自殺との違い,およびその分類
      第2章 直接的/間接的に自分を傷つける行為の概観
      第3章 自傷がよくみられる集団
      第4章 ボディピアッシング,タトゥ,およびその他の身体改造

    第Ⅱ部 アセスメントと治療

      第5章 自傷行為の生物−心理−社会学的モデル
      第6章 自傷治療における初回面接の心得
      第7章 認知と行動のアセスメント
      第8章 随伴性マネージメント
      第9章 自傷に代わるスキルのトレーニング第10章 認知療法
      第11章 身体イメージをどうあつかうか?
      第12章 曝露療法とトラウマの解決
      第13章 家族療法
      第14章 薬物療法
      第15章 援助者は陰性反応にいかに対処すべきか?

    第Ⅲ部 特殊な問題

      第16章 自傷の伝染
      第17章 学校における自傷管理のプロトコール

    付 録

      A 呼吸法マニュアル
      B 身体態度尺度(Body Attitude Scale)
      C 自傷に関するウェブサイト
      D 自傷する人たちのための権利章典