J・J・シリラ,D・J・ウェザーストン編/廣瀬たい子監訳

乳幼児精神保健ケースブック
フライバーグの育児支援治療プログラム

A5判 238頁 定価(本体3,400円+税) 2007年6月刊


ISBN978-4-7724-0975-9

 「すべては赤ちゃんの時代から始まっている」。本書は,類いまれなる児童精神分析家にして乳幼児精神保健のパイオニア,セルマ・フライバーグの治療モデルを12の詳細な事例研究をもとに解説したものである。執筆者たちの背景は,心理,社会福祉,教育,看護,特別支援教育など多岐にわたっており,そこで展開されているメンタルヘルス・プログラムは,遊戯療法や作業療法のような治療的アプローチの代わりにもなるものである。
 乳幼児‐親関係性障害の評価,早期介入による障害の予防や乳幼児の持つ回復力など,基礎的な理論をふまえた上で,乳幼児と家族との直接的な関わりや,専門家を支えるスーパービジョンとコンサルテーション,専門職相互の治療的連携の臨床的方法が臨場感あふれる事例描写を通して詳述される。  妊娠,出産,育児と子どもの成長発達にかかわる,看護職,心理士,精神科医,ケースワーカーにとって,乳幼児精神保健(Infant Mental Health)の理解と実践のための最適の入門テキストとなろう。

おもな目次

    1 乳幼児精神保健プログラムの紹介
    2 息子を育てるための試練──赤ちゃんと母親
    3 癒しの潜在能力と関係性の力
    4 リスクと強靭性──生後1年における発育障害
    5 はるか遠くの銀河系で──乳幼児精神保健と遊戯療法の融合
    6 愛と喪失──複合的な課題を抱えた母親に対するIMH介入
    7 ひとつになって──感覚統合に問題のある子どもとその家族のための乳幼児精神保健(IMH)と作業療法(OT)の融合
    8 非器質的発育障害の診断がある家族を育てること
    9 勇気ある決断──関係性によって成長と変化をサポートする
    10 マーガレットとその赤ちゃんたち──認知障害のある親とその子どもに抱える環境を創る
    11 重症の精神障害のもとで親機能の足場を組む──IMHスペシャリストの役割と戦略
    12 自分を危機にさらさない──支持的なコンサルテーションを通してスーパーバイザーを援助する
    13 赤いコート──過去と現在の家族との関係を思い焦がれる物語