R・J・コーレンバーグ,M・サイ著/大河内浩人監訳

機能分析心理療法
徹底的行動主義の果て,精神分析と行動療法の架け橋

A5判 250頁 定価(本体3,800円+税) 2007年6月刊


ISBN978-4-7724-0976-6

 FAPは,「治療関係」に焦点をあてた行動療法である。最近,「マインドフルネス」という言葉を耳にすることが多い。FAPは,「マインドフルネス」に象徴される「第三世代(認知行動療法の次の世代)の行動療法」の中心的存在である。そして本書は,FAPの創始者であるコーレンバーグとサイが自ら,彼らだけで書き下ろした最初の本格的な理論書であり詳細な治療マニュアルガイドラインである。
 心理療法の徹底的行動主義的解釈は,治療者‐患者関係が治療過程の中核であるという結論を導いた。そしてその治療過程の中心には,情動と感情が存在する。本書では,これまで精神分析学派が治療に多大の貢献をしていた重篤な自己の障害である自己愛性障害・境界例・解離性同一性障害を取り上げ,自己の行動的定式化を試みる。また後半部においては,治療同盟と転移,対象関係論の治療モデルが検討され,スキナーを源流とする行動分析を徹底的に追究した果てに,FAPが精神分析と最新の行動療法との間隙を埋めるユニークなアプローチになっていることが例証される。
 近年脚光を浴びるエビデンスベイストな治療法に関心を持つ臨床家,とくに精神分析をはじめ,ユング心理学,パーソンセンタードアプローチの臨床家にとって行動的心理療法の入門書としてお薦めの一冊である。

おもな目次

    第1章 イントロダクション
    第2章 機能分析心理療法の臨床適用
    第3章 機能分析心理療法の臨床適用(補遺):臨床関連行動に対するセラピストの気づきを促す
    第4章 行動変容における情動と記憶の役割
    第5章 認知と信念
    第6章 自己
    第7章 機能分析心理療法──精神分析と行動療法の架け橋
    第8章 倫理,スーパービジョン,研究,および,文化の諸問題に思うこと

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