生島 浩・村松 励編

犯罪心理臨床

A5判 254頁 定価(本体3,600円+税) 2007年8月刊


ISBN978-4-7724-0985-8

 少年法が相次いで改正され,また犯罪臨床システムを規定する基本法が次々に成立している。このような状況の中で,非行・犯罪をめぐる心理的関与のあり方が厳しく問われると同時に,新たな心理臨床的援助の可能性も大きく開かれようとしている。
 現在,少年や成人の再犯防止に向けた心理的援助は,どのような問題に注目し,どのような技法が活用されているのか,また求められている新しい理論や考え方はなにか,そして現実にどこまでできて何ができていないか。本書は,犯罪心理臨床の現場で活躍する第一線の臨床家が,臨床現場で注目が集まっている諸問題を具体的な事例にもとづいて生々しく報告したものである。
 ここで取り上げられたテーマは,重大非行や精神障害と犯罪など世間の注目を集める問題ばかりでなく,軽微な非行や性犯罪,覚せい剤事犯への新たな処遇プログラム,そして発達障害と非行の関係や高齢者の犯罪など,いずれも心理臨床的関与が社会的に要請されているものである。また,親や家族への働きかけ,贖罪教育,被害者援助など,新たな臨床的関心が高まっているテーマ,今後の展開が期待される最先端の理論・技法にも光が当てられている。
 臨床現場の主要な問題・アプローチを網羅し,臨床の知見が凝集した本書は,心理臨床家はもとより司法・矯正保護関係をはじめ,福祉・教育・医学など各分野の臨床家に,犯罪心理臨床の実践的ガイドブックとして最適である。

おもな目次

    第1部 非行臨床の実践

      1 総 説:村松 励
      2 軽微な非行への初期的介入―保護的措置を中心に:桑原尚佐
      3 重大な非行を犯した少年に対する対応:金子陽子
      4 非行初期の親面接:吉川 由香
      5 非行少年に対するソーシャル・スキルズ・トレーニング―少年院におけるSST:菊池 生之
      6 被害者の視点を取り入れた非行少年への処遇:村尾博司
      7 発達障害のある非行少年への対応:小栗正幸
      8 児童の自立支援について―児童自立支援施設の理念と現実:西田達朗

    第2部 犯罪臨床の実践

      1 総 説:生島  浩
      2 犯罪臨床におけるリスクアセスメント―再犯は予測できるのか:西野務正
      3-1 性犯罪者の処遇プログラム(1)―矯正施設での実践:外川江美
      3-2 性犯罪者の処遇プログラム(2)―大阪保護観察所での実践:西岡純子
      4-1 覚せい剤事犯の処遇プログラム(1)―刑事施設における薬物依存離脱指導:阿部真紀子
      4-2 覚せい剤事犯の処遇プログラム(2)―保護観察での実践:南元英夫
      5 触法精神障害者への処遇プログラム―医療観察法指定入院医療機関における心理臨床的アプローチ:安藤久美子
      6 高齢者犯罪へのアプローチ―高齢犯罪者の実態と犯罪臨床での対応:近藤日出夫
      7 子どもを虐待した親へのアプローチ:市村彰英
      8 犯罪被害者への心理的援助:大山みち子