マーシャ・M・リネハン著/小野和哉監訳

弁証法的行動療法実践マニュアル

A5判 300頁 定価(本体4,200円+税) 2007年9月刊


ISBN978-4-7724-0986-5

 「弁証法的行動療法」(Dialectical Behavior Therapy:DBT)は,治療困難な境界性パーソナリティ障害(BPD)に対し有効であるとして立証され,欧米においては広く支持されている注目すべき治療法である。現在,日本でも関心が高まってきており,BPDへの新しいアプローチとして期待されている。
 本書はDBTの開発者マーシャ・M・リネハンが,この治療法について具体的に解説したものである。治療構造,各種ストラテジーの手順とトレーニングへの適用,各セッションへの導入と進め方に始まり,身につけるべきさまざまなスキルについて,いかに患者に説明し,実践で使えるようにトレーニングしていくか,その具体的な道筋までが段階を追って詳述されている。さらに,患者たちと話し合うべきトピック,ドロップアウトや自殺的行動を防ぐためのコツやルールの設定など,治療上役立つ注意点についても丁寧に触れられている。また本書の後半は,患者に配る宿題シートや資料となっており,トレーニングに使いやすいように工夫がされている。
 DBTの考え方とその治療のすすめ方が具体的にわかる,極めて実用的な1冊である。

おもな目次

    第1章 境界性パーソナリティ障害に関する心理社会的スキル・トレーニングの理論

      理論の概観と基本的見地について
      BPDの生物社会学的理論
      感情調節障害における無効化する環境の役割
      感情調節障害の病理学的成因
      治療プログラム
      BPD患者に対する認知行動療法の改善
      次章に向けて

    第2章 心理社会的スキル・トレーニングにおける実践上の課題

      個人 対 グループのスキル・トレーニング
      オープングループ 対 クローズドグループ
      治療モジュールのサイクル
      複合グループ 対 単一グループ
      心理社会的スキル・トレーニングにおける個人精神療法の役割
      グループリーダー

    第3章 セッション形式とスキル・トレーニングの開始

      セッションの形式と構成
      スキル・トレーニングの開始

    第4章 構造化ストラテジーとスキル・トレーニング手順の心理社会的スキル・トレーニングへの適用

      構造化ストラテジー
      スキル・トレーニング手順

    第5章 他のストラテジーと手順の心理社会的スキル・トレーニングへの適用

      弁証法的ストラテジー
      問題解決ストラテジー
      有効化ストラテジー
      変化の手順
      様式化ストラテジー
      ケース・マネジメント・ストラテジー
      特別治療ストラテジー

    第6章 心理社会的スキル・トレーニングのセッションごとのアウトライン

      セッション1:スキル・トレーニングへのオリエンテーション
      セッション2:コア・マインドフルネス・スキル
      セッション3〜7:特定モジュールのスキル
      セッション8:最終セッション

    第7章 コア・マインドフルネス・スキル

      マインドフルネス「把握」スキル
      マインドフルネス「対処」スキル

    第8章 対人関係保持スキル

      モジュールの目標
      内容の概略

    第9章 感情調節スキル

      特別な感情調節スキル
      内容の概略

    第10章 苦悩耐性スキル

      モジュールの目標
      内容の概略
      配付資料と宿題シート