高橋哲郎著

精神分析的精神療法セミナー
発見・検討・洞察の徹底演習
[技法編]

A5判 250頁 定価(本体3,600円+税) 2007年10月刊


ISBN978-4-7724-0999-5

……私がここで伝えたいことは,「精神分析的精神療法」は分析的な方向付けの中で治療には最も役に立つやり方です。だからそれに誇りを持って,その専門家になって欲しいのです……。(本書より)

 本書は,10年以上にわたって行われている「精神分析的精神療法セミナー」の実践記録を基に,類書にない新しい効果的演習方法を公開するものである。転移・逆転移,抵抗,解釈,ワークスルー,抑圧,治療構造等,各章はいずれも優れて臨床的なテーマを取り上げている。スーパーヴィジョンによる症例の徹底検討とそこから浮き彫りにされる基本的精神分析概念の学習討論を通して,読者は臨床実践の中で本当に患者のためになる技法と理論を身につけることができるであろう。

おもな目次

    第1部 基本構造について

      第1講 セラピーにおける規則性と自発性――母をこわがる強迫神経症の独身女性
      第2講 バウンダリー(境界)の臨床的問題――治療者側の役割変化に苦労した独身男性
      第3講 チーム治療におけるセラピストの主体性――摂食障害,気分変動,自殺企図を主訴とする境界性障害の女子学生
      第4講 カウチ使用の精神療法――環境が変わると体重が減った女性

    第2部 接近法について

      第5講 解離と分裂と抑圧についての探索と支持の意味――人格が頻繁に変わると訴える若い女性
      第6講 思春期の危機と家族の力動――行動化を繰り返す女子中学生の母親

    第3部 抵抗ないし転移について

      第7講 抵抗とは何か――蒲団から出られない過食症の女子大学生
      第8講 外傷・空想・妄想と症状――「悲惨な過去」を徐々に想起するヒステリー障害の女性
      第9講 転移性倒錯――女性化願望とフェティシズムを持つ男子学生
      第10講 恋愛転移か自己愛転移か――苦しさを明るく語る女子学生
      第11講 分裂部分対象関係――現実より成熟して見えた中年ビジネスウ−マン

    第4部 解釈とワークスルーについて

    第12講 対象喪失と喪・抑うつ症のワークスルー――別離後に退行的症状を呈した思春期女子
      第13講 転移性恋愛への抵抗――セラピストをフェティッシュにする女子大学生
      第14講 解釈の種類と特に蘇生解釈について――慢性期統合失調症状態から変わろうとしている中年女性
      第15講 自我の葛藤か欠損か――身体化症状と社会的不適応を訴えた主婦