平木典子著

カウンセリングの心と技術
心理療法と対人関係のあり方

A5判 230頁 定価(本体3,500円+税) 2008年2月刊


ISBN978-4-7724-1013-7

 本書は,ながく統合的心理療法を探求してきた著者が,その豊富な経験にもとに心理臨床の技法と論考のエッセンスをわかりやすく示したものである。
 冒頭で著者は「心理臨床は個人や家族の問題の解決を心理的支援によって,福祉はそれらを社会的保障の働きによって支援しようとしてきた。しかしそれぞれの支援つながりは弱いものであった」と指摘する。
 青少年の不登校・引きこもりや凶悪事件の多発,親による児童虐待やDVなど現代家族の抱える多くの複雑な問題の解決には,ともに“家族”というものにかかわってきた“心理”と“福祉”が連携することが必要であるとし,くわえて心理臨床のアイデンティティーについても言及している。これは今日まで著者が築き上げた心理臨床の知見を集約したものに通じるともいえる。これをうけて,つづく第Ⅰ部〜第Ⅲ部では,それぞれジェンダー,アサーション,家族臨床について統合的心理療法の視点から考察がなされている。
 臨床心理士をはじめ,心の臨床に携わる多くの人々にとり有益な一書となるであろう。待望の著者最新の臨床論集。

おもな目次

      序章 統合的心理療法という考え方―心理臨床の働きがつくる福祉との架け橋

    Ⅰ 心理療法とジェンダー

      1.心理臨床のアカウンタビリティ―心に優しい男と女の関係
      2.夫婦関係の発達と危機
      3.夫婦の愛が不安定になるとき
      4.ジェンダー・センシティブな夫婦・家族療法
      5.思秋期女性のストレスと危機への対応

    Ⅱ アサーション

      6.自己理解・自己受容・自己実現―自己カウンセリングのすすめ
      7.アサーションを生きる
      8.職場のメンタルヘルス向上のためのアサーション・トレーニング
      9.葛藤から協力への道程(DESC)
      10.依存性人格障害とアサーション療法

    Ⅲ 家族臨床

      11.家族療法と人間関係
      12.家族ロールプレイという訓練法―重層的人間理解を求めて
      13.エビデンス・ベースト家族カウンセリング
      14.文脈療法の理念と技法―ナージ理論の真髄を探る
      15.隠された親密さ−忠誠心
      16.青年期事例の家族療法
      17.中年期と家族問題
      18.いま,親の条件を考える
      19.子どもの自信の源を探る―自信の心理学
      終章 カウンセリングとスーパービジョン