神谷信行著

事実の治癒力
心理臨床と司法の協働

四六版 304頁 定価(本体2,800円+税) 2008年3月刊


ISBN978-4-7724-1019-9

 「人は事件によって動かされる」。少年法改正,裁判員制度,等,法律への関心が高まりつつある現在,心の専門職と法律家の協働が注目されてきた。実際の事件においても,心理カウンセラー・精神科医と弁護士が協力して児童虐待事件などに取り組むケースが増えてきている。
 本書は,非行・少年犯罪,いじめ,不登校,虐待,発達障害,DV,PTSDなど,あらゆるケースを引用し,法律家の眼から現代の心の問題を読み解こうとしたものである。著者は,クライアント,被告と向きあい,眼の前の事実を緻密に考え抜くという作業を積み重ねた結果,「誠実・信頼」の感覚に満ちた心の治癒にたどりつく。
 プラグマティックな目的意識から「法」と「心理」のコラボレーションを目指す新しい試みであり,司法・心理に関わる臨床家に必読の書。

おもな目次

    序――心理療法と司法の協働
    第1章 事実と「治癒」
    第2章 「発達障害」の子らと「事件」――いじめ被害,解雇,非行
    第3章 「子どもの自立」と自立援助ホーム
    第4章 交通事故のPTSD訴訟
    第5章 婚約破棄された青年の「対象喪失」
    第6章 「中年クライシス」の離婚事件
    第7章 虐待被害少女の「死と再生」
    第8章 神戸児童連続殺傷事件の「審判決定(要旨)」を精読する
    第9章 自己と向きあう内観療法
    第10章 犯した罪に向きあうということ