ジュール・グレン,マーク・カンザー編/馬場謙一監訳/岡元彩子,高塚雄介,馬場謙一訳

シュレーバーと狼男
フロイト症例を再読する

A5判 190頁 定価(本体2,800円+税) 2008年5月刊


ISBN978-4-7724-1021-2

 フロイトの残した症例記録は,きわめて貴重なものである。患者たちとの交流のなかで,フロイトが何を体験し,何を考えていたか,そこからどのようにして精神分析理論を構築して行ったか。症例記録を読むことを通して,私たちはまさにその生きた現場に参与できるのである。(「訳者あとがき」より)
 本書は,人類の遺産ともいうべきフロイト症例(シュレーバー,狼男)を読み解く知的冒険の試みである。執筆者たちの緻密かつあざやかな症例検討によって,読者は天才的な閃きに満ちたフロイトの技法論を学びつつ,防衛機制,抑圧,投影,置き換え,退行,葛藤,自己愛といった精神分析のキーワードについても理解を深めることができるであろう。

おもな目次

    第1章 シュレーバー――父と息子
    第2章 シュレーバーの子ども時代――奇跡にみちた世界
    第3章 シュレーバー症例に関するさらなる資料と記憶すべき事柄
    第4章 フロイト症例を教える――シュレーバーをめぐって
    第5章 アーロウとブレンナーによる「パラノイアへの構造分析的接近」の概要
    第6章 統合的な考察
    第7章 幼児期境界例としての狼男
    第8章 狼男再考――原光景の探究
    第9章 原光景の持つ病因的影響――再評価
    第10章 狼男症例における「誤った治療同盟」の次元
    第11章 レールモントフと狼男
    第12章 統合的な考察