テリー・ピショー,イボンヌ・M・ドラン著/三島徳雄訳

解決志向アプローチ再入門
臨床現場での効果的な習得法と活用法

A5判 260頁 定価(本体3,800円+税) 2008年5月刊


ISBN978-4-7724-1025-0

 解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・セラピー:SFT)が熱狂的に紹介・導入されてからかなりの時間が経過したが,その理論や技法が単純でわかりやすいものであるのにくらべ,それを臨床現場で実践するにはさまざまな困難が生じ,その効果や有用性に疑問が持たれることも多い。
 本書は,これらの疑問や批判に答え,基本的なSFTの考え方から,その習得の仕方と現場での効果的な実践法,さらには解決志向でない機関や治療者と共同して治療を進める場合の工夫や考え方までを詳述したものである。個人セッションだけでなくグループでの適用,スーパービジョンと治療チームのあり方,青年期や子どもへの対応の仕方など,実践で出会うさまざまな状況でSFTをどのように実践し,それがどのように奇跡的な効果をもたらすのかが,治療の段階を追って具体的に解説されているのも本書の特徴の一つである。
 SFTの創始者たちの衣鉢を継ぐ第2世代の著者たちが,その考え方を臨床現場に定着させてきた自身の歴史を踏まえ,多くの事例とそれに対する治療者の戸惑いや疑問をも率直にとりあげて丹念に解き明かした本書は,初心者にもわかりやすく,経験者にも数々のヒントが得られる,SFTの入門書にして実践の手引き書といえよう。
 一度はSFTの考え方に惹かれながら実践でつまずいたセラピストにも,再度この考え方を実践にいかす手がかりを与えてくれるだろう。

おもな目次

    序 章 なぜ,機関全体の焦点をソリューション・フォーカスト・セラピーに変えるのか?
    第1章 解決志向の基本
    第2章 個人セッションの流れ
    第3章 解決志向グループ
    第4章 たくさんのミラクル:ミラクル・クエスチョンの適応と応用
    第5章 ミラクルを持続させる
    第6章 「こんなのはくだらない,私にこんなことは必要ない,私はここにいたくない」:青年期の人々と協働作業をする
    第7章 「フランス語」会話術:他機関に対する外交的手腕
    第8章 解決志向スーパービジョン:一歩後ろから導く
    第9章 チームのミラクルを維持する:我々の解決志向チームからの観察
    第10章 自分の人生と我々の取り組み方を変えたクライエントの事例集
    終 章 遊牧民の寓話
    付 録 我々の解決志向治療チームから出てきた感想