日本語版への序

 私の足元で安らかに眠っている2匹のコリー犬の側で,コンピュータの前に座ってこの文章を書きながら,私の仕事が大陸を横断して別の国に伝わるという興奮で私はわくわくしている。とても多くのことが異なる一方で,とても多くのことが同じでもある,ある国。私たちの本が日本語に翻訳されるのは,本当に光栄である。ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーは,人々をとてもエンパワーするアプローチであり,あらゆる文化において人々の心を動かす。一人ひとりをその人自身の文脈で受け入れるという基本的な教え,つまり,人は誰でも自分自身の答を持っていると信じているということは,文化間の相違やニュアンスの差違を超越している。私が望むのはただ,組織に対するソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーの活用が,インスー・キム・バーグとスティーブ・ディ・シェイザーによるオリジナルの仕事と同様に,文化的にみても重要な価値があると分かることである。読者が本書を読まれるときには,ここで説明されたソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーの活用は,アメリカのいろいろな組織,セラピスト,そしてクライエントが日々直面している制度や慣習そして苦闘を取り扱うために,アメリカ文化の中で発展してきたことを心に留めておいてほしい。その概念や状況の多くは,読者が所属する組織の中で遭遇するものと類似していると確信してはいるが,読者がこれらの概念や考え方を応用して,自分自身の環境にそれらが最もよく適合するように修正することを勧めたい。このように創造的に適応することによって,ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーは世界中のすべての人々に恩恵を与え続け,私たちはお互いから学びあうことができるのである。

コロラド州レイクウッドにて   テリー・ピショー