小森康永著

ナラティヴ実践再訪

四六判 184頁 定価(本体2,600円+税) 2008年6月刊


ISBN978-4-7724-1031-1

 マイケル・ホワイトの創始したナラティヴ・セラピーは,社会構成主義をベースにしながら,文化人類学,言語学,フェミニズム等を援用した画期的な治療アプローチである。 本書には,ナラティヴ・セラピーを初めてわが国に導入した著者による実践と臨床の記録がまとめられている。
 第1章〜第6章の各章では,冒頭で事例を示しケースに適用した中心的会話技法が解説される。その後,心理療法における会話技術と関連する文学的価値を考察する。さらに,セラピスト側から治療の影響を患者に返礼する実践を試行することで「会話−文学−返礼」的視点を用いた記述の厚みづけが図られている。
 また,巻末にはナラティヴ・セラピー & コミュニティーワーク国際学会への訪問記録の詳述も付録されている。
 手紙療法,グループセラピーをまとめた会報や人形劇を使った家族への心理教育プログラムなど,小児心身医学・一般精神医学・緩和ケアの3領域での著者の実践をなぞるように読みすすめることで,ナラティヴ・セラピーへのより深い理解を得ることになるであろう。

おもな目次

    第1章 視覚性
    第2章 正確さ
    第3章 多様性
    第4章 軽さ
    第5章 速さ
    第6章 一貫性
    付録1 アデレード,1999年秋
    付録2 香港,2005年夏
    付録3 クリスチャンサン,2007年春