松木邦裕・東中園聡編

精神分析臨床シリーズ
精神病の精神分析的アプローチ
その実際と今日的意義

A5判 237頁 定価(本体3,500円+税) 2008年7月刊


ISBN978-4-7724-1032-8

 本書は,統合失調症や非定型精神病などの精神疾患の臨床のなかで,いかに精神分析的心理療法による治療を進めていくかを,多くの事例をもとに論じたものである。
 精神分析的アプローチによって,精神病を根治できるわけではない。しかし,精神病状態の恐怖に圧倒され,絶望の淵に立たされている病者にとっては,心理療法の試みは,孤独ではないとの安堵感と自己の存在を認められる体験であり,それこそが患者主体のよりよい治療につながる道であろう。本書は,そうした実例をあげながら,心理療法だけでなく看護や管理医のあり方などにまで視野を広げ,精神病の治癒を目指していく。
 大好評の『摂食障害の精神分析的アプローチ』『抑うつの精神分析的アプローチ』に続く精神分析臨床シリーズ第3弾。精神病にかかわるすべての治療者に必携の一冊である。

おもな目次

      紹介―精神病の精神分析的心理療法がもたらすもの 松木邦裕

    第1部 視   点

      第1章 精神病についての理論と精神分析技法 松木邦裕

    第2部 治療の実際

      第2章 統合失調症者との治療的コミュニケーションの試み 東中園聡
      第3章 ある非定型精神病者との精神分析的心理療法 鈴木智美
      第4章 ある統合失調症者の破壊的空想 賀来博光
      第5章 悲哀という体験の難しさ――ある非定型精神病の精神分析的心理療法から 鈴木千枝子
      第6章 妄想の中の抑うつに出会うこと 椋田容世
      第7章 筋肉の暴力的な使用による取り入れ器官の排泄器官化――ビオンの観点からの統合失調症への精神分析的アプローチ 中川慎一郎

    第3部 コンテイニング

      第8章 コンテイニングと逆転移――精神病とのパーソナルな経験から初心者に向けて 川野由子
      第9章 統合失調症の看護――考える看護とその実際 荘野悦子
      第10章 統合失調症の精神分析臨床におけるマネージメント 東中園聡